日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
西瓜蔓割病の病理化学的研究
(第1報) 西瓜蔓割病菌の分泌する毒素 Phytonivein に就て
広江 勇西村 正暘
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 20 巻 4 号 p. 161-164

詳細
抄録
1) 本報告に於て, 西瓜蔓割病菌培養滬液中に分泌される西瓜萎凋起因物質の確認及びその単離に就いて述べる。
2) 培養滬液中に該菌が分泌する萎凋起因物質は耐熱性, 不揮発性, 透析性の物質でアルカリ性下でよく活性炭に吸着される。
3) 西瓜蔓割病菌に対する西瓜品種間抵抗性差異とその培養滬液中での萎凋程度との間には略々相関関係が認められる。
4) 培養滬液及び菌体から萎凋起因物質を単離し Phytonivein と命名したが, このものは無色長柱状結晶, 融点138°~9℃, アルコール類, アセトン, エーテル, クロロホルム, 四塩化炭素及びベンゼン等に可溶であるが, 水, 酸, アルカリ及びリグロイン等には不溶である。
5) Phytonivein の西瓜 cut stem 萎凋限界有効濃度は10-5前後であり, 而も永久萎凋が認められる。尚幼植物或は植木鉢栽植西瓜に対しても同様効果が見られた。
著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top