抄録
1) 成葉に対する接種試験の結果はカボチヤ及びクリカボチヤは共に発病せず,キウリは供試28品種共発病した。而してキウリ品種について単位葉面積当りの病斑数を比較した結果は,津田三尺,関野2号,酒田ピックル,台湾毛馬,野生キウリらが発病程度低く,四葉,華中在来,日支青長,山東などは前者の10~15倍の病斑数を示した。2) 病斑数に関する罹病率の品種間差異は子葉でも見られる。しかしそれは成葉におけるほど明らかなものではない。而してこの場合,カボチヤ中の1品種,白菊座にも,若干発病を見た。子葉における罹病率の順位は成葉の場合とは必ずしも一致しない。3) 病斑拡大率の品種間差異は明らかでなく,品種間に殆んど差を求め難い。4) 子葉汁液中での分生胞子の発芽は著しく促進される。而して表皮組織中での菌糸の伸長には品種間の差が認められない。またキウリのどの品種についても菌の侵害をうけた表皮細胞は直ちに変色,壊死することなく,従つて菌糸の伸長が阻止せられることもない。この事からキウリの品種はいずれも炭疽病強感受性であると考えられる。5) 子葉上での分生胞子の発芽率には品種間に差が無く,抵抗性のカボチヤの子葉上でもよく発芽して附着器を形成する。6) キウリ子葉上につくられた附着器からの侵入菌糸形成率は品種間に明らかな差を認め得る。しかして侵入率と接種試験に於ける罹病率との間には極めて高い相関がある。この両者の値がよく平行する事から,キウリ品種に於ける罹病率の差は附着器からの菌糸侵入率の差に原因するものと思われ,それらは表皮の侵入抵抗に基く可能性が大きい。