日本植物病理学会報
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馬鈴薯疫病菌の生理学的研究
第10報 紫外線照射の影響
酒井 隆太郎
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1957 年 22 巻 4-5 号 p. 211-214

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抄録
1.この報告には篤鈴薯疫病菌に対する紫外線照射の影饗,特に胞子の形成について行つた実験結果を記した。紫外線波長は3129Å~5780Å(簡接照射)及び1850Å~5780Å(直接照射)で,照射距離は15cmである。
2.菌糸は直接照射では30秒照射によつて異常を認め,90秒で空中菌糸の1部が桔死し,照射時間の増加に伴い被害面積が拡大する。間接照射の場合は特に明らかな影響は認められない。
3.胞子形成は直接照射では5~10秒,間接照射では5~10分の照射によつて最も促進されたが,その効果は後者において大である。
4.本実験の範囲内では紫外線処理により病原性に変化を認めなかつた。
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