日本植物病理学会報
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日本におけるカボチャ・モザイク病に関する研究
II. バイラスの物理的性質,同定及びトウガ,シロウリ,スイカのモザイク病株から分離されるバイラスとの関係.
小室 康雄
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1957 年 22 巻 4-5 号 p. 220-224

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抄録
1) カボチャ・モザイク・バイラスの耐稀釈性は500~1,000倍,耐熱性50~55℃,耐保存性は5~10日であつた。
2) 本バイラスとCMVとの間でキュウリ,カボチャを用いて行つた交叉免疫試験では両バイラス間に交叉免疫作用はみられなかつた。
3) 前報の結果とあわせ既知の諸バイラスの記載と比較した所,本バイラスはLindbergら(1956)のMelon mosaic virusの1系統と認められる。Vasudevaら(1943)によつてインドで報告されたBottle gourd mosaic virus (Cucumis virus 3),アメリカで報ぜられたAycock (1951)のCantaloupe mosaic virus, Anderson (1954)のWatermelon mosaic virus (Marmor citrulli)は本バイラスと近縁な系統のようである。
4) シロウリ,トウガ,スイカのモザイク株から本バイラスとほぼ同一或は近縁と思われるバイラスを分離した。
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