2022 年 78 巻 6 号 p. II_215-II_224
2020年から2021年にかけわが国の温室効果ガス排出削減目標が見直され, 2030年には2013年比で46%減, 2050年には脱炭素社会を目指すことになった. なかでも家庭部門は, 2030年に66%の削減が求められ, 比較的短期間で大幅な温室効果ガスの削減が求められている. 本研究では, この目標の達成に向け, 重要であると言われる要素, すなわち, 省エネ及び電化の推進を想定し, 2050年までの温室効果ガス排出量を推計した. その結果, 計画されている通り大幅に電気の排出係数が低減し, かつ家庭の様々な用途において電化が推進したとしても2030年の削減目標の達成は容易でなく, 現在よりも10%近い需要の低減が必要になることが分かった.