日本植物病理学会報
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貯穀微生物のくん蒸効果に関する研究 (第3報)
ふけ米菌 (Absidia sp.) 胞子にたいする臭化メチルの殺菌効果について
松野 守男柳井 昭二
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1963 年 28 巻 4 号 p. 216-220

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抄録
ふけ米菌 (Absidia sp.) 胞子を使い, 臭化メチルの殺菌効果についてしらべた。顕微鏡下で直接死滅率を計測し, また死滅率の高いところはシャーレ上のコロニー数と推定胞子数より死滅率をだした。
湿度75%では温度が25°Cより30°Cに上昇しても, くん蒸効果はさほどあがらなかつた。
くん蒸時間の延長による効果は非常にすくなく, 湿度75%, 温度30°C, ガス濃度72mg/l, 72時間でなお100%死滅するにいたらなかつた。
くん蒸時間を対数値とし, 死滅率をプロビット値におきかえたくん蒸時間・死滅率回帰直線は, 湿度が一定のときは温度, ガス濃度に関係なく, Absidia sp. 固有の傾斜値を示すことがわかつた。
湿度が高くなると, くん蒸効果はいちじるしく増大する。
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