日本植物病理学会報
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紫外線照射オオムギ斑葉モザイクウイルスの寒天ゲル中沈降反応
村山 大記横山 竜夫
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1965 年 30 巻 4 号 p. 216-218_1

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抄録

BSMV粒子を切断する目的で紫外線照射したものについて寒天ゲル中沈降反応 (Ouchterlony 法) を行なつた。無照射のものと抗原性に差の見られない1時間照射のものでは, 沈降帯の形や出現位置に変化は見られなかつたが, 2時間以上5時間照射のものでは沈降帯は抗原側からかなり離れた位置に現われ, かつ照射時間の長いものほど沈降帯の曲線がゆるやかになり, 直線に近づくことが認められた。2時間および3時間照射のものでは沈降帯が最も明瞭に認められた。6時間照射のものでは混合法で抗原性が認められたにもかかわらず, 寒天ゲル中法では反応が認められなかつた。以上の結果, 紫外線照射によつてBSMVの粒子が切断され, その結果寒天ゲル中沈降反応が明瞭になるものと考えられた。

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