1966 年 32 巻 4 号 p. 175-180
本報では,halogenophenylpyrazolone, halogenophenylhydrazineおよびhalogenophenylacetylhydrazine誘導体計51種について,イネもんがれ病に対する効果と化学構造との関係について検討し,また一部の化合物については,イネいもち病,しらはがれ病,キュウリたんそ病およびハクサイなんぷ病に対する効果について試験した。
イネもんがれ病に対するhalogenophenylpyrazolone, halogenophenylhydrazineおよびhalogenophenylacetylhydrazine誘導体の効果はともに4-halogenophenyl基を有するものがすぐれており,効果と化学構造との関係に関連があることを認めた。本結果からhalogenophenylpyrazolone誘導体はイネ体上で分解してヒドラジン化合物となり高い効果を現わすものと推定された。
温室内ベッド試験の結果から,halogenophenylpyrazolone誘導体3種,halogenophenylacetylhydrazine誘導体3種およびhalogenophenylhydrazine誘導体5種はいずれもイネいもち病に高い防除効果が認められ,とくに1-(3, 4-dichlorophenyl)-2-acetylhydrazineおよび4-chlorophenylhydrazine・formateの防除効果が高かつた。
キュウリたんそ病に対してはhalogenophenylpyrazolone誘導体10種およびhalogenophenylacetylhydrazine誘導体4種にかなり高い予防効果が認められたが,イネしらはがれ病およびハクサイなんぷ病に対しては効果がほとんどなかつた。