日本植物病理学会報
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植物ウイルス病の化学療法に関する研究
XII.抗ウイルス性薬剤の施用法
尹 泰圭平井 篤造
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1968 年 34 巻 2 号 p. 109-113

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抄録
1. トマト苗にTMV単独あるいはTMVとPVXの混合接種を行ない,接種前に2時間苗の根部を浸漬し,接種後地上部に対する散布を毎日連続6回行なつた。またバンデングによる薬液の茎への施用も併用した。根部処理と地上部散布の併用では,後者のみの場合に比較して治療効果が顕著であつた。しかしバンデングの効果は少なかつた。以上の効果判定には,発病率,潜伏期間,ならびに根部のウイルス量の化学定量を実施した。発病率と根部のウイルス量との間に相関がみられた。
2. 薬害軽減のためMn2+を使用した。鉢植のトマトの地上部成長と根の発育の程度を観察し,あるいは薬液にタバコ葉片を浮遊してその変色程度を比較した。Mn2+は抗ウイルスの薬害をかなり軽減したが, TMVに対する阻害度を低下させることはなかつた。
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