日本植物病理学会報
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ペンタクロロベンジルアルコールのいもち病防除効果
角 博次高日 幸義近藤 泰彦中神 和人
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1968 年 34 巻 2 号 p. 114-121

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抄録
PCBAのいもち病防除機構を検討して,大略次の結果を得た。
1. PCBAはいもち病防除剤として効果が大きい。実用散布濃度は1000ppm以下(500ppm前後)と考えられる。
2. PCBAの効果はいもち病菌の接種以前に薬剤散布する時に顕著である。
3. いもち病感染後のイネに薬剤散布してもPCBAの発病抑制作用は認められない。
4. PCBAは効果の持続期間が長いが,これは散布した薬剤の被覆による効果だけでなく,イネ体内に浸透移行した薬剤の効果が合せあらわれているものと考える。
5. 穂頸いもち病に対しては,PCBAを穂孕末期から出穂期にかけて散布するのが最も効果が高いが,穂孕期以降であれば防除効果を期待することができる。
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