1969 年 35 巻 3 号 p. 174-179
コムギ赤サビ病菌Race 1AとRace 21Bの夏胞子を等量混合し,感受性コムギ品種農林61号および新中長の幼苗に数代継続接種し,その間の両Raceの生存割合を同時に接種したコムギ品種農林55号の幼苗に現われた病斑数によって調査した。実験は15°C, 20°C,および25°Cに保たれたgrowth chamber内で行なわれた。Race 21BはRace 1Aより競争力が強く,とくに低温下ですぐれていた。競争力に対して夏胞子堆の密度および寄主コムギ品種は影響しなかった。Race 21Bの夏胞子堆は15°CではRace 1Aより早く成育したが,20°Cおよび25°CではRace 1Aとあまり変らない成育速度を示した。