1969 年 35 巻 3 号 p. 234-238
この報告で筆者が1965年の秋,千葉県農試で発見したエロースイートクローバ(Melilotus officinalis (L.) Lam.)の新病害,葉枯病について行なった病原学的研究の結果を述べた。エロースイートクローバはこの病気にかかると,葉縁から半円形に広がる褐色の病斑を生じ,きわめて落葉しやすくなる。この病斑から分離した一種のStemphylium属菌がこの病原であることを確かめた。この菌の形態,スイートクローバとアルファルファとに対する寄生性,人工培地上における菌叢の形状および発育と温度との関係をアルファルファの葉枯病菌と同じ実験方法によって比較検討した。その結果からエロースイートクローバからの本病菌はアルファルファ葉枯病菌と同一種の菌,Stemphylium botryosum Wallr.であろうと結論した。