日本植物病理学会報
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いもち病菌の混合接種に関する研究
2. 混合接種効果の菌系間差異
勝屋 敬三清沢 茂久
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1969 年 35 巻 4 号 p. 299-307

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抄録
非病原性菌系を抵抗性品種に接種したとき,その上に現われる罹病性病斑数(Ra)と,同一菌系を罹病性品種に接種したときに現われる罹病性病斑数(Sa)との比から,その接種胞子浮遊液中に含まれる病原性突然変異胞子率を求める方法は簡単なため利用価値が高いが,このようにして求めた突然変異胞子率は非病原性胞子と病原性胞子(突然変異体)との間の相互作用(混合接種効果)が存在するため修正されねばならない。菌系北1,研54-20,研54-04,および稲168についてそれぞれの菌系からえられたPi-k抵抗性遺伝子を侵す突然変異体との間の混合接種効果をみ,混合接種効果(促進的)はあるが,その菌系間差異はないことを見いだした。この結果に基づいて,Av-k非病原性遺伝子の突然変異胞子率を修正した。
またAv-k遺伝子の存在は,本実験方法においては,これらの菌系の病原力に影響を与えないようである。
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