日本植物病理学会報
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ネナシカズラ(Cuscuta reflexa Roxb.)によるカンキツ・トリステザウイルスの伝染
T.K. NARIANIS.P. RAYCHAUDHURI
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1970 年 36 巻 4 号 p. 289-290

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抄録
West Indian key limeに寄生しているネナシカズラ(Cuscuta reflexa)の2-3本の蔓をとり,芽接ぎによって感染させたKagzi lime (Citrus aurantifolia (Christm.) Swing.)に巻きつけ(1969年3月),防虫のガラス室内に置いた,じゅうぶんに寄生したころにこのネナシカズラを罹病植物につけたまま,1ないしそれ以上の末端を1年生のKagzi lime実生苗4個体に接着させた。
1969年10月になって上記4個体のうち2個体が,新しく生育した新梢の若葉にvein clearing, fleckingなどのトリステザ特有の症状を示し,6ヵ月でこのウイルスの伝染の事実が確認された。
インドにおけるC. reflexaによる植物ウイルス伝染の最初の記録はAzad and Sehgal (1958)によるキイチゴ(Rubus ellipticus Smith)のmosaic virusに関するものであるが,本報告は第2番目のものである。
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