日本植物病理学会報
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36 巻 , 4 号
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  • 菊本 敏雄, 坂本 正幸
    1970 年 36 巻 4 号 p. 207-213
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    土壌構造と微生物の関係について,とくに土壌粒団中における軟腐病細菌の分布を中心に,洗浄-音波法を利用して解析した。その結果,葉圏土壌をし別してえた,各分画中の軟腐病細菌数はほぼ一致していたが,その他の微生物では,粒径が小さくなるにしたがって,菌数は増す傾向がみられた。また音波処理により,これらの土壌分画中の微生物の菌数は増大したけれども,軟腐病細菌数はむしろ減少した。粒径2.00-0.84mmの粒団46コのうち,29コの粒団から軟腐病細菌が検出され,その菌数は12から1,600の範囲であった。ハクサイの根圏ならびに葉圏の両土壌において,軟腐病細菌の90%以上の細胞は土壌粒団の外部に存在していることが明らかになった。ハクサイの根圏効果は軟腐病細菌も含め,細菌フローラについては土壌粒団の内部よりも外部の方が顕著であった。
  • 草葉 敏彦, 遠山 明
    1970 年 36 巻 4 号 p. 214-222
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 殺菌土栽培オオムギ葉に縞萎縮病ウイルスを人工接種して得た発病株の根あるいは跡地土壌は感染性をもたないことを確認した。
    (2) Dexon 70-140ppmを播種直前に播種溝に灌注すると発病が減少する。しかし病葉汁液にDexon 50-200ppmを加えて人工接種しても感染性に影響がみられなかった。
    (3) 病根磨砕物に水を加え325メッシュで濾過した濾液は感染性を示した。この濾液にはP. graminisの休眠胞子が高濃度に含まれているが,この濾液を100倍以上に希釈すると感染性は失われた。
    (4) 病根を水中に浸漬すると,浸漬4日以後の水に感染性が認められ,4-15日間浸漬のものに感染性がやや高かった。また浸漬前に病根を2週間以上土中に埋没しておくと浸漬水の感染性がやや高くなった。
    (5) 根を水に浸漬すると大部分P. graminisのものと考えられる遊走子が水中に放出されるが,漬浸後の時間的経過にともなう遊走子密度の消長と浸漬水の感染性の変化とには平行関係が認められた。
    (6) 以上の結果からP. graminisが本病の媒介者となっている可能性が高いものと考えられる。
  • 遠山 明, 草葉 敏彦
    1970 年 36 巻 4 号 p. 223-229
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. オオムギ縞萎縮病ビールムギ(キリン直1号)の根の磨砕物濾液を低速で遠心分画して,Polymyxa graminisの休眠胞子をほぼ純粋に取り出し,滅菌土に接種してキリン直1号を播種した結果,高率の発病が認められた。
    2. 健全根の磨砕物から作ったP. graminisの粗休眠胞子浮遊液を滅菌土に接種し,その上に成育させたオオムギに人工接種して得た病株の根は病原性を示したが,菌を接種しなかった根には病原性が認められなかった。
    3. 採取時期を異にする自然発病根の病原性は,3月中旬-4月上旬(発病盛期)のものは低く,概して4月中旬以降採取のものに高い傾向が認められた。この時期は病根のなかでP. graminisが成熟して休眠胞子となる時期に合致する。
    4. 以上の結果から,オオムギ縞萎縮病ウイルスはP. graminisによって媒介されるものと考えられる。
  • 白石 雅也, 福富 雅夫, 赤井 重恭
    1970 年 36 巻 4 号 p. 230-233
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報告はBotrytis cinerea Pers.の菌叢の発育,分生胞子形成ならびに分生胞子のagingと発芽および付着器形成との関係について行なった実験の結果である。
    1) キュウリ幼果から分離した菌の,PSA培地(pH 5.5)上における菌叢発育の適温は24-28°Cであって,5°Cではわずかに発育するが,0°および35°Cではほとんど発育しない。
    2) ウレタンホーム細片を添加し液体振とう培養法により同調培養した場合,ウレタンホーム上の菌叢上での分生胞子形成は約24時間で最高に達し,3日目までわずかに増加するが,その後はほとんど増加しなかった。一方,PSA培地上における分生胞子形成は,24°Cで3日目から始まり,4日目には最高形成数の約90%に達し,6日目以後にはほとんど形成されない。両培地におけるこの相違は,PSA培地上における移植菌糸の発育に要する日数に基づくものと考えられる。
    3) 液体振とう培養による同調分生胞子は若いものほど発芽が良好であって,形成24時間後のものでは87%の発芽率を示したが,形成後の経過日数とともに低下し,3日後では50%以下となり,6日以後のものではほとんど発芽しなかった。PSA培地上に形成した分生胞子では,培養4日目のものの発芽がきわめて良好であったが(平均92%),経過日数とともにいちじるしく低下し,7日目のものではわずかに5%の発芽を認めたにすぎなかった。PSA培地上において形成された分生胞子の発芽力も時間の経過とともに同調培養の場合とほぼ同じ程度に低下する。
    4) 発芽した分生胞子の付着器形成は形成後2日目の分生胞子においてもっとも良好であった。しかし形成6日目の胞子でもなおかなりの付着器形成が認められた。
  • 白石 雅也, 福富 雅夫, 赤井 重恭
    1970 年 36 巻 4 号 p. 234-236_2
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    本報告はBotrytis cinerea Pers.分生胞子の発芽および付着器形成に及ぼす温度の影響ならびにそれらの形態の変化について観察した結果である。
    1) 本菌分生胞子は15-32℃において良好な発芽をするが,10℃では発芽にやや時間を要し,48時間後にようやく約60%に達した。
    2) 48時間後における最適発芽温度は20-30℃であるが,最高限界温度は35℃であり,最低限界温度は10℃以下にあるものと思われる。
    3) 付着器形成は10-30℃で認められたが,その最適温度は15-20℃であった。10℃では発芽に時間を要したが,付着器形成はかなり良好であった。25℃以上では発芽は良好であって,発芽管はよく伸長するが,付着器形成は良好でない。30℃での発芽はまったく発芽管型となって,発芽管はよく伸長し,付着器形成はほとんど行なわれなかった。
    4) 分生胞子の発芽および付着器形成の状態について見ると,形成2日目の分生胞子は20℃下において2時間後に発芽を始め,4-6時間後に付着器を形成する。しかし,8-12時間後には付着器は再び発芽して菌糸を生じて伸長し,24時間後にはさらに分枝した。
    5) 15℃においては分生胞子は24時間後に発芽するが,なお顕著な発芽管の伸長および付着器形成を示さない。しかし48時間後において付着器の形成が認められた。20℃では発芽は良好であり,かつ発芽管の伸長および付着器形成もきわめて良好であった。25℃においては単一胞子から2本の発芽管を生ずる場合をしばしば認めたが,その一つには付着器が形成され,他は栄養菌糸として伸長する場合が多かった。一般に25℃における発芽管の伸長は15°および20℃にくらべきわめて良好であった。30℃における分生胞子の発芽は多くは発芽管型の発芽を示した。
  • 土崎 常男, 與良 清, 明日山 秀文
    1970 年 36 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. ササゲおよびアズキにおいて,種子伝染性ウイルスと非種子伝染性ウイルスを用い,ウイルスの種子伝染と配偶子感染との関係を調べた。
    2. 花粉伝染と胚のう伝染は種子伝染の起こるアズキ・モザイク・ウイルス(AzMV)とアズキ,ササゲ・モザイク・ウイルス(CAMV)とササゲの組合せでだけ起こり,種子伝染の起こらないキュウリ・モザイク・ウイルス-アズキ,CAMV-アズキ,サブクロ-バ・モットル・ウイルス-ササゲの組合せでは起こらなかった。
    3. ササゲを親植物とした場合,種子伝染の起こるvirus-hostの組合せの場合だけ,検定植物への汁液接種により花粉からウイルスが検出された。しかし葯,子房からは,種子伝染しないvirus-hostの組合せでもウイルスが検出されることが,ササゲ,アズキのいずれを親植物としたときにも認められた。
    4. 各種ウイルスに感染したアズキ,ササゲの雌しべ,雄しべ,花弁,葉につき,ウイルス濃度を比較した。一般に雌しべ,雄しべのウイルス濃度が花弁,葉より低い傾向がみられたが,種子伝染の有無とはとくに関係はなかった。次にCAMVに感染したササゲ,アズキの葯,子房のウイルス濃度を比較した。葯ではササゲの方がアズキよりもウイルス濃度が高かったが,子房ではその逆で,種子伝染の有無と葯,子房のウイルス濃度の間にとくに関係は認められなかった。
    5. CAMV-ササゲ,AzMV-アズキの組合せで,開花期にウイルスを接種し,開花日別に分けて種子を集め,種子伝染の有無を調べた。その結果,ともに接種日から約20日以後に開花し,結実した種子だけに種子伝染が起こった。一方,CAMV-ササゲの組合せで接種後一定間隔の期日ごとに花粉,葯,子房,花弁からのウイルスの検出を試みた。子房,花弁では接種4日後から,葯では接種10日後から,花粉では接種17日後からウイルスが検出され,種子伝染にはウイルスの配偶子感染が必要であることが示された。
  • 石坂 信之, 冨山 宏平
    1970 年 36 巻 4 号 p. 243-249
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    ジャガイモ品種,リシリ(抵抗性遺伝子R1を有し,非常に高い圃場抵抗性を示す)の切断面およびその切断面に疫病菌を接種した場合の癒傷組織(wound periderm)形成の時間的経過とその程度を19-20℃で観察した。
    無接種の場合には切断2日後に細胞分裂が表層細胞で始まり,それにつづく数層で分裂が起こって癒傷組織が形成される。不親和性疫病菌を切断直後に切断面に接種すると細胞分裂は遅れて,癒傷組織の厚さが薄くなる。接種胞子濃度が希薄な場合,細胞分裂は褐変細胞の接する隣接細胞で起こり,胞子を濃厚に接種すると褐変細胞から一つおいた隣りの細胞から始まる。褐変細胞に接する隣接細胞では分裂は起こらない。不親和性レースを接種するとリグニン化もスベリン化もその速度と程度が低下する。これに対して親和性レースを接種すると,癒傷組織の形成はいちじるしく阻害される。岬状に組織内に入り込んだ褐変病斑の周辺に癒傷組織が形成される事実は,不親和性レースによる侵害だけ(切断を伴わない)によっても癒傷組織の形成を誘起することを示しているもののようである。
    長く貯蔵された塊茎では不親和性レースによる病斑はより深く拡大し,かつ癒傷組織の形成は遅れ,はなはだしい場合には病斑は進展を停止するにもかかわらず癒傷組織が形成されない場合がある。
  • 佐久間 勉, 島貫 忠幸
    1970 年 36 巻 4 号 p. 250-253
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    K. caulivora菌のアカクローバ植物への侵入過程を抵抗性および罹病性個体間の比較において顕微鏡観察を行なった。
    1. 抵抗性および罹病性個体葉柄上における病原菌分生胞子の発芽率には明瞭な差異は認められなかった。
    2. 侵入の際に付着器および菌糸塊の形成は認められなかったが,若干先端が太くなる傾向にあった。
    3. 侵入後菌糸は細胞間げきを迷走するが,吸器を細胞内に挿入したり,直接菌糸が細胞内に侵入することはなかった。
    4. 菌糸は篩部内でさかんに増殖したが,導管内にはごくまれにしか認められなかった。
    5. 抵抗性個体,罹病性個体間で次の点において差異が認められた。
    罹病性個体:水浸状進展性の病斑が接種6日以降に発現する。切片観察によると菌糸は篩部組織内に侵入したのちさかんに分枝し,多くの隔膜を形成する。この時期になると菌糸の太さは2.5-4μから8-12.5μと約3倍になり篩部を崩壊する。
    抵抗性個体:黒褐色止り型病斑を形成する。切片観察によると2-3細胞層が黒褐色となり凝固している。抵抗性個体の特徴の一つとして,小葉柄が罹病する場合がある。これらは黒褐色止り型病斑であり,篩部内に太型の菌糸が認められたが,その周辺は黒褐色の組織に囲まれ急速に進展することはなく小葉柄部分に極限される。
    6. 進展性,止り型病斑の別なく,病斑組織周辺の健全細胞間げきに菌糸の存在が確認された。
  • 大沢 淳, 山口 昭
    1970 年 36 巻 4 号 p. 254-259
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    TMVによって局部病斑を生ずる4種の宿主を用いて,接種葉上に生ずるえそ斑点の質(色・形・大きさ)と接種葉内でのウイルス増殖様式との関係を比較した。
    用いた宿主の接種葉内では,いずれもTMVの増殖が先行し,そのあとでえそ斑点が目に見えるようになった。すなわちウイルスの侵入増殖があってのち初めて細胞の褐変が起こるものと考えられる。病斑の形成に先だつウイルス検出の早晩によって,宿主は二群に分けられた。ウイルス検出時期の早いものにN. glutinosa D. stramoniumおよびN. tabacum var. Samsun NNがあり,おそいものにP. vulgarisがある。
    接種葉内でのTMV増殖曲線から,増殖様式はA, B2型に分けられた。A型はTMV全身感染宿主であるN. tabacum var. Samsunにみられる型で,斑点出現後に増殖停滞期を示さず,S字状曲線を描く。B型は局部病斑宿主に特徴的な型で,斑点出現後に明瞭な停滞期を示す。B型を示すもののうち,病斑の数および大きさの増加が,病斑形成後まもなく停止するインゲン,グルチノザでは,この停滞期が長い。これに反して,停滞期の短いSamsun NN,ダチュラでは,病斑の数および大きさの増加が感染後期まで続き,ときにはA型の増殖曲線を示すこともあった。すなわち,各宿主の接種葉内でのTMV増殖様式と病斑の質との間には一定の相関が認められる(第1表)。
    接種100時間前後におけるウイルス回収量は,インゲン,グルチノザ,ダチュラ,Samsun NNの順に大きく,この順序もまた斑点の質に対応していると考えられた。
  • 我孫子 和雄, 北島 博
    1970 年 36 巻 4 号 p. 260-265
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 1965年神奈川県下でモモの枝幹に多数のいぼを生じ,病勢が進むと枝の表面が粗ぞうになり,夏季には樹脂を分泌する新病害を発見し,モモのいぼ皮病と命名した。
    2. 本病の病原菌はその生活史において子のう胞子時代(Physalospora)と柄胞子時代(Macrophoma)を有する。
    3. 本菌は無傷接種,付傷接種のどちらでもモモの枝に侵入して発病させる。
    4. 本菌は13種の植物に対する接種試験の結果,モモだけを寄主とすることが判明した。
    5. 本菌を既知の類似菌と比較したところ新種と判定されたので,Physalospora persicae Abiko et Kitajima sp. nov.とした。
  • 玉田 哲男
    1970 年 36 巻 4 号 p. 266-274
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1952年ごろ,北海道の道南地方に確認されたダイズ矮化病は,最近北海道各地に発生し,その被害はきわめて大きい。ダイズにおける病徴は大別して矮化型と縮葉型とに分けられる。病原ウイルスは汁液伝染,種子伝染できず,ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani (Kaltenbach))によってうつされる。アブラムシを用いて,10科43種の植物に接種した結果,レンゲ,ソラマメ,ツルマメ,エンドウ,ナンキンマメ,コモンベッチ,シロクローバ,ラジノクローバ,アカクローバ,アルサイククローバ,クリムソンクローバ,サブタレニアンクローバおよびサックリングクローバなどのマメ科植物に感染することがわかった。とくにアカクローバとシロクローバ(ラジノクローバ)は,自然で無病徴感染しており,本ウイルスの感染源として,重要な役割を果たしている。供試した45種のダイズ品種は,すべて感染したが,病徴に差異がみられた。
    ジャガイモヒゲナガアブラムシは,罹病植物を60分間吸汁することにより,ウイルスを獲得することができ,罹病植物上で飼育した保毒虫は,健全植物を30分間吸汁することにより感染することができた。いずれの吸汁時間も長いほど,伝染率が増大した。ウイルスの最短虫体内潜伏期間は15時間と27時間の間にあった。アブラムシは脱皮後も伝染力を保持し,最長21日間ウイルスを保有していた虫もあったが,大部分は感染源を離れるにつれて,伝染力を失う傾向があった。
    ダイズ矮化ウイルスの伝染様式は,ジャガイモ葉巻ウイルスやpea enation mosaic virusのような循環型ウイルスときわめてよく類似していた。しかし,本ウイルスは寄主範囲,病徴,および媒介虫の種類から,今まで報告されたどのウイルスとも異なっていた。
  • 都丸 敬一, 高浪 洋一, 宇田川 晃
    1970 年 36 巻 4 号 p. 275-282
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    神奈川,千葉,茨城および兵庫県下のタバコから分離されたタバコ茎えそウイルスの8分離株について,寄主範囲,血清反応,電子顕微鏡および蔗糖密度勾配遠心によるウイルス粒子の長さの分布等を比較検討した。その結果,これらの分離株は2系統群に分けられた。第1群にはHSN, IH株,第2群にはMD-1, TH, UD, CH-2, CH-3, MH株などが含まれる。第1群はアスターに全身的なえそを生じ,第2群は黄色輪紋を生ずる。寒天拡散法およびmicro-droplet precipitin testによる血清反応では,両系統は共通抗原を有するが,一部異種抗原を持つと考えられた。ウイルス粒子は第1群では180-190mμ, 70-80mμの長および短粒子からなり,第2群では長粒子は第1群と同じであるが,40-60mμの短粒子を持つ点に特色がある。供試した野生種を含むタバコ属植物20種13品種には免疫性を有するものは見出されなかった。ニチニチソウ(Vinca rosea)はこれらの系統の保存寄主として適当である。
  • 山本 昌木
    1970 年 36 巻 4 号 p. 283-285
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    暗所で塊茎から萠芽させたジャガイモ幼芽〔品種男爵薯(r)・種間雑種96-56 (R1)〕の先端を螢光白色染料カルコフルオール・ホワイトで標識し,水洗後,10°Cで逸出させたジャガイモ疫病菌(Race 0)遊走子を20°Cで接種,3, 18時間後,オリンパスHL超高圧水銀灯照明装置でUV励起フィルター・DV-1(接眼フィルター・US-10)またはBU励起フィルターBG1・BG-12(接眼フィルター・FY-3)によって螢光を検出したところ,健全組織の細胞壁に螢光を認めたが,え死部での螢光は罹病型・過敏型両病斑とも判然としなかった。非親和性疫病菌系統侵入による過敏型病斑周辺では強い螢光が認められた。本実験の結果から,過敏型病斑周辺でのセルローズ新生について検討する必要が明らかとなった。
  • 益子 道生, 江川 宏, 上山 昭則, 小清水 弘一, 木幡 欣一, 麓 次郎
    1970 年 36 巻 4 号 p. 286-288
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    コダチルリマツリ(イソマツ科植物)の葉には自然状態において病斑の形成がほとんど認められないことから抗かび成分が存在するのではないかと推定してその単離を試みた。
    第1図の操作によって生葉175gから約4mgの結晶を得た。この物質は2-methyl-5-hydroxy-1, 4-naphthoquinoneであって,すでに報告されているプルンバギンの化学構造と一致する。イネごま葉枯病菌分生胞子の発芽は100γ/mlで完全に阻止されるが,10γ/mlでは6%の発芽率をしめした。イネ幼苗にあらかじめ50-100γ/mlの液を散布したのち,イネごま葉枯病菌分生胞子を接種したところ,100γ/mlでは標準区に比して30%程度の病斑減少効果が認められた。
    つぎにイソマツ科植物5種について抗かび成分の有無を検索した。その結果,いずれの植物にも抗かび成分は認められたが,プルンバギンのほかにさらに別の抗かび成分を有する植物もあった。
  • T.K. NARIANI, S.P. RAYCHAUDHURI
    1970 年 36 巻 4 号 p. 289-290
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    West Indian key limeに寄生しているネナシカズラ(Cuscuta reflexa)の2-3本の蔓をとり,芽接ぎによって感染させたKagzi lime (Citrus aurantifolia (Christm.) Swing.)に巻きつけ(1969年3月),防虫のガラス室内に置いた,じゅうぶんに寄生したころにこのネナシカズラを罹病植物につけたまま,1ないしそれ以上の末端を1年生のKagzi lime実生苗4個体に接着させた。
    1969年10月になって上記4個体のうち2個体が,新しく生育した新梢の若葉にvein clearing, fleckingなどのトリステザ特有の症状を示し,6ヵ月でこのウイルスの伝染の事実が確認された。
    インドにおけるC. reflexaによる植物ウイルス伝染の最初の記録はAzad and Sehgal (1958)によるキイチゴ(Rubus ellipticus Smith)のmosaic virusに関するものであるが,本報告は第2番目のものである。
  • 達山 和紀, 直原 一男
    1970 年 36 巻 4 号 p. 290-294
    発行日: 1970/09/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The effects of herbicides on the growth of soi-lborne plant pathogens and on the occurrence of damping-off of cucumber seedlings inoculated with the causal fungi were studied.
    Among ten sorts of herbicides used, dinoseb, pentachlorophenol, linuron, and chloropropham inhibited the mycelial growth of Fusarium oxysporum, Rhizoctonia solani and Pythium aphanidermatum on culture medium, while 2, 4-D, MCPA, prometryne, and simazine seemed to promote the development of aerial hyphae of R. solani or P. aphanidermatum.
    The effect of antifungal herbicides among above-described on the occurrence of pre- or post-emergence damping-off in cucumber was examined. Pythium+dinoseb, Pythium+linuron, and Fusarium+dinoseb combinations resulted in the increase in healthy seedlings compared with Pythium or Fusarium alone. This is probably due to the antifungal effect of herbicides. Rhizoctonia+dinoseb, Rhizoctonia+linuron, Pythium+pentachlorophenol, and Rhizoctonia+pentachlorophenol combinations, however, resulted in an appreciable reduction in cucumber stand due to damping-off compared with Rhizoctonia or Pythium alone. At present, it is not clear whether the herbicides acted on the pathogens or on the host.
    It is possible that the herbicides affected the physiology of host plant, so that the susceptibility of emerging seedlings to the pathogens increased. The results may suggest the importance of secondary effects of herbicide.
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