日本植物病理学会報
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感染葉組織のフェノール処理液におけるキュウリモザイクウイルスの系統およびトマトアスパーミーウイルスの感染力
都丸 敬一宇田川 晃
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1971 年 37 巻 2 号 p. 73-76

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抄録

キュウリモザイクウイルス(CMV)の普通系,軽症系,黄斑系,黄色微斑系,マメ科系およびえそ系の6系統およびトマトアスパーミーウイルス(TAV)(井上ら,1968)およびキク微斑ウイルス(CMMV)(栃原,1970)を用い,感染葉のフェノール処理液の感染力を対照のりん酸緩衝液磨砕汁と比較した。その結果,いずれもフェノール処理液では対照より高い感染力を示し,定量用の検定植物をかえてもこの性質は変わらなかった。タバコにCMV普通系を接種したのち,4日から27日まで経時的に検定した頂葉のフェノール処理液の感染力はつねに対照より高かった。以上の結果から,このフェノール処理液が高い感染力を示す性質は,CMV群ウイルスの診断,同定の一手段として用いうるものと考えられる。またTAVおよびCMMVがCMVと同様にフェノール処理液で高い感染力を示すことは,TAV群ウイルスとCMV群ウイルスとの類縁関係を示す一つの新しい性質といえるであろう。

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