日本植物病理学会報
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キュウリべと病菌菌糸の伸長に対する明暗の影響
稲葉 忠興梶原 敏宏
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1972 年 38 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
キュウリべと病菌菌糸の伸長に対する明処理または暗処理の影響を解剖学的に観察した。その結果,
1. 菌糸数および吸器数は接種2日後までは変化しなかったが,接種3日後から急激に増加しはじめ,かつ明処理および暗処理の差が明瞭になり明処理の方が暗処理より増加がいちじるしかった。接種5日後の菌糸数および吸器数は,明処理の値を100とすれば暗処理の値は34-57であった。
2. 接種5日後の菌糸幅は明処理では平均5.4μ,暗処理では平均4.6μで暗処理すると菌糸の幅がせまくなった。
このように,キュリべと病感染葉を暗黒下におくと病斑中の菌糸の密度や幅がいちじるしく減少するが,これがさきに報告したように感染葉を暗黒処理すると病斑の発現が抑制される原因になっているのであろうと推察される。
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