抄録
Xanthomonas phaseoliおよびX. begoniaeにX. citriのテンペレート・ファージを感染させると,これらの細菌は溶原化され,同じテンペレート・ファージを放出した.溶原化された細菌は寄主植物を通過してもその溶原性を失わなかった。これらの細菌の他のファージに対する感受性には,溶原化によって大きな変化が起る場合が多かったが,病原性および炭水化物分解性には何ら変化は認められなかった。一度溶原化された細菌も,培養中に,他のファージに対する感受性を異にしたクローンを生ずることが単集落培養によって明らかになった。同様に寄主範囲を異にするファージを放出するクローンの出現も認められた。