日本植物病理学会報
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Exobasidium symploci-japonicaeによるクロキもち病葉の微細構造
野津 幹雄山本 昌木
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1972 年 38 巻 5 号 p. 363-366_4

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抄録

Exobasidium symploci-japonicaeによるクロキもち病葉の超薄切片を電子顕微鏡で観察した。クロキもち病葉組織において菌糸は細胞間隙や中層あるいは細胞壁の中に観察される。菌糸が感受体細胞壁を陥入している像を得たが吸器構造は観察できなかった。また感受体細胞内に病原体(菌糸)を観察することもできず,病原体が感受体細胞に侵入しなくても組織の肥大が起こることが判った。感受体中層部の菌糸にはロマゾーム様構造が観察できるが,その他の細胞内器管は本観察では見ることはできなかった。中層部の菌糸の径は1~2μ程度である。
肥大細胞には大きな液胞があり,原形質分離は起きておらず,細胞質は薄い層となっていることから,トノプラストや細胞膜の表面積が増大していることが推定できる。細胞質には小胞体,ミトコンドリア,葉緑体,核などが観察できる。核は仁を2個もつことがあり,クロマチンが多い。葉緑体には好オスミウム顆粒は存在するがグラナラメラが認められるものは少なかった。またプロプラスチッドに近いもの,殿粉がないもの,葉緑体の大部分を殿粉が占めているものなどがあった。肥大組織には液胞内に高電子密度の物質を充満している細胞が点在するが,クロキもち病菌との関係は不明である。

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