抄録
ハイメキサゾール(3-hydroxy-5-methylisoxazole)の土壌殺菌剤としての効果を,土壌透過性,土壌への吸着性および土壌中での持続効果の点から検討した。これらの土壌中における性質は,in vitroではC. rolfsii,F. oxysporum, P. debaryanumの菌糸生育抑制効果,in vivoではキュウリ苗のFusarium wilt (F. oxysporum f. cucumerinum)および苗立枯病(P. debaryanum, C. rolfsii)にたいする防除効果と関連して検討した。実用濃度で処理されたハイメキサゾールは土壌表層に容易に吸着され,土壌中深くまで浸透していかないが2∼3週間の残効が認められた。土壌を消石灰で処理することにより,ハイメキサゾールの土壌への吸着は明らかに減少するので,消石灰処理した土壌でのハイメキサゾールの土壌透過性はよくなることが期待される。さらに消石灰処理した土壌でのハイメキサゾールの効果は,消石灰を処理しない土壌における効果より明らかにすぐれていた。