1977 年 43 巻 5 号 p. 517-523
Pi-z遺伝子をもつ品種ともたない品種とのいもち病に対する圃場抵抗性を岐阜県高山市と愛知県北設楽郡稲武町において畑晩播で検定した。高山市では個体当り病斑数を,稲武町では病斑面積率を主として調べ,それらから種々の方法で伝染速度を測定した。同じ畑晩播実験で異なる時期に測定した伝染速度の間の相関係数は必ずしも高くなく,2点で伝染速度を測定する場合,時期の選択に問題のあることを示した。2個所の実験の伝染速度の間で最も高い相関係数はrx=(lnx2/1-x2-lnx1/1-x1)/(t2-t1)により計算された場合にえられ,この場合前報の本田での結果との相関も最も高かった。この方法で伝染速度を計算するとき,3あるいは4区制の実験で伝染速度に有意な品種間差異がえられた。