日本植物病理学会報
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43 巻 , 5 号
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  • 横沢 菱三, 国永 史朗
    1977 年 43 巻 5 号 p. 501-507
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 土壌中におけるAphanomyces遊走子の運動の維持期間,形態保持,発芽能力,感染力の維持,宿主発病に要する遊走子数,感染宿主の遊走子形成数について検討した。
    2. 土壌に接種した遊走子の運動性は接種1日後にほとんど失なわれるが,少数のものは5日後まで持続していた。
    3. ミリポアーフィルターにのせ土壌に埋没したA. euteichesの被のう遊走子は,5日内に90%は消失するが,13Cないし20Cでは24日後までわずかに残存し,発芽能力を有していた。
    4. 土壌に接種したA. euteiches, A. cochlioidesの遊走子は,20Cのとき20日ないし30日間感染力を維持した。感染宿主に形成された遊走子は,接種したものとほぼ同じ期間,土壌中で感染力を維持した。
    5. 乾土1gにつき50個の遊走子が存在すればA. euteiches, A. cochlioidesは宿主であるエンドウ,サトウダイコンに100%立枯を起した。
    6. 感染宿主で形成されるA. euteichesの遊走子数は50∼60% WHCと75∼90% WHCの土壌で,それぞれ1.8×105, 9×104個であった。
    7. 以上の結果からAphanomycesの遊走子は土壌中で感染宿主に多量形成され,少なくも25日間は次の感染源として有効であると認められる。
  • 清沢 茂久, 安田 弘之, 新谷 勲
    1977 年 43 巻 5 号 p. 508-516
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pi-z遺伝子をもつ品種ともたない品種とのいもち病抵抗性を岐阜県高山市において本田で検定した。それぞれの品種の上での伝染速度を測定することにより圃場抵抗性を評価しようとした。植物当りの病斑数(y)と式r=(lny2-lny1)/(t2-t1)で計算された伝染速度(r)との間に負の相関がえられた。ここでy2とy1はそれぞれ時間t2とt1における病斑数である。この事実を考慮してこの点を補正した式r=〔ln{y2/(Y-y2)}-ln{y1/(Y-y1)}〕/(t2-t1)とY=y1/x1が提案された。ここでx1はt1における病斑面積率,t2-t1は潜伏期間である。
  • 清沢 茂久, 安田 弘之, 新谷 勲, 小出 仁士, 森元 武
    1977 年 43 巻 5 号 p. 517-523
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pi-z遺伝子をもつ品種ともたない品種とのいもち病に対する圃場抵抗性を岐阜県高山市と愛知県北設楽郡稲武町において畑晩播で検定した。高山市では個体当り病斑数を,稲武町では病斑面積率を主として調べ,それらから種々の方法で伝染速度を測定した。同じ畑晩播実験で異なる時期に測定した伝染速度の間の相関係数は必ずしも高くなく,2点で伝染速度を測定する場合,時期の選択に問題のあることを示した。2個所の実験の伝染速度の間で最も高い相関係数はrx=(lnx2/1-x2-lnx1/1-x1)/(t2-t1)により計算された場合にえられ,この場合前報の本田での結果との相関も最も高かった。この方法で伝染速度を計算するとき,3あるいは4区制の実験で伝染速度に有意な品種間差異がえられた。
  • 岡田 文雄
    1977 年 43 巻 5 号 p. 524-527
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    チャのエステル型カテキンが植物のウイルス活性を阻害する作用を明らかにするため,(-)ECgと(-)EGCgについて調査した。
    純化TMVの粗たん白量に対して,(-)ECgと(-)EGCgが90%以上の病斑形成阻害率を示す必要量は,31倍量であった。TMV-カテキン懸濁液からゼラチンでカテキンを除いて接種すると,(-)ECg処理区ではゼラチンとの混合時間によってウイルス活性の回復力は影響を受けたが,(-)EGCg処理区ではウイルス活性の回復はほとんど認められず,この点からも(-)EGCgは(-)ECgに比べ効果の著しいことが認められた。また,これらの実験結果から,カテキンのウイルス活性阻害作用はたん白との結合作用によることが明らかとなった。
  • 平井 篤造, 滝井 徹, 滝井 清悟, 伍賀 富久美
    1977 年 43 巻 5 号 p. 528-536
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タバコモザイクウイルス(TMV)に対して罹病性および抵抗性のトマト品種または育成系統を用い,TMV-OM(普通系)接種と同時に,抗生物質クロモマイシンA3 (CMA)またはTMV蛋白を根あるいは茎から吸収させ,トマト内のウイルス量を化学定量して,抵抗性の誘導が起ったかどうかを実験した。同時にこれらの処理によるトマト葉のペルオキシダーゼ(PO)活性の変化を生化学的に定量し,またはエレクトロフォーカスイング(EF)法を用いたゲル電気泳動により,POの各アイソザイム(IZ)群を分別して定量した。
    1) CMAの5, 10, 30ppm液吸収によって,トマトの罹病性品種福寿2号(F2)では,抵抗性があまり誘導されなかったが,抵抗性の瑞光(ZK), GCR236 (G236), GCR-237 (G237), GCR-267 (G267)ではそれぞれ抵抗性がさらに誘導され,ウイルス量は少なくなった。10ppm CMAによるZKでの抵抗性誘導は,接種直後1日間,2日間処理でも,連続7日間処理したものと同じ程度に起った。
    2) 1, 7, 8.4ppmのTMV蛋白液2mlを接種直後1日間トマトに吸収させることにより,罹病性のF2,抵抗性のZKとも,抵抗性が誘導された。
    3) 60ppmのCMAを2日間施用したトマトでは,EF法によるゲル電気泳動で,罹病性F2ではPO-IZ群の活性合計が対照の無処理区より減少し,抵抗性のG237では反対に増加した。特に後者では第II群IZ (pH 6付近)の増加が顕著であった。
    4) 10ppmのTMV蛋白を5ml吸収させたトマトでは,生化学的なPOの定量およびEF法によるゲル電気泳動の結果からも,罹病性のF2,抵抗性のG237ともに,PO活性が対照区よりも増加した。
    5) 以上の結果から,主としてウイルス抵抗性誘導物質および抵抗性の誘導とPO活性との関係について考察した。
  • 阿久津 克己, 天野 幸治, 與良 清
    1977 年 43 巻 5 号 p. 537-548
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オオムギうどんこ病菌に対するL-メチオニンの抑制作用は,光顕観察の結果から吸器の異常生育に起因するように考えられた。そこで,この点を確かめるためL-メチオニン処理オオムギ葉について,吸器および感染表皮細胞,さらには菌糸および分生胞子の変化を電顕観察により調べた。
    処理葉内の形成初期の吸器では,細胞内小器官にはなんらの変化も認められなかったが,吸器細胞壁の厚化,吸器のう基質内における高電子密度顆粒の出現,ならびに吸器のう膜の伸縮性の低下,など宿主細胞の細胞質と接する部位に顕著な変化が認められた。その後吸器の生育に伴って,吸器内小器官にも変化が起こり,内部に電子密度の高い大きな沈澱物を含む吸器が多数見出され,吸器の養分吸収活性の低下が示唆された。感染した宿主表皮細胞には電子密度の高い顆粒が集積し,それが充填した細胞も多く観察された。このようにL-メチオニン処理の影響は吸器に対し直接現われるのではなく,吸器と宿主細胞の細胞質との接触部(吸器のう膜および吸器のう基質)に最初に認められ,また感染した宿主表皮細胞では壊死性の反応が認められた。このことから,L-メチオニンの抑制作用は,宿主植物に抵抗性が誘導されることと密接な関係があるように考えられた。
    処理葉上に生育する菌糸は,正常な菌糸に比べて細胞質の電子密度は幾分高く,中心部には大きな液胞が発達し,その中に電子密度の高い沈澱物が観察された。また,処理葉上に形成された分生胞子は種々の崩壊過程を示し,胞子の細胞壁の一部が剥離,突出した胞子,細胞質が顆粒化した胞子,さらには最終的に顆粒が消失し空胞化した胞子,などが観察された。
  • 高坂 〓爾, 寺岡 徹
    1977 年 43 巻 5 号 p. 549-556
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    いもち病によるイネのずりこみの発現機作を検討した。
    1. 接種後種々の時期に接種葉を剪除し,その時までの感染がイネの生育に及ぼす影響をみると,生育阻害は侵入直後ないし潜伏期剪除区でもみられ,剪除の時期が遅くなるほど阻害が強くなった。また病斑部のみを初期に剪除すると生育阻害が著しく軽減された。
    2. エチレン発生剤エスレル(2-クロロエチルホスホン酸)を葉身にパンチ施用すると,施用後抽出する葉身・葉鞘の伸長阻害,出葉期の早まり,またしばしば施用葉葉節部の上偏生長がみられ,これらの症状はいもち病菌接種による生育阻害症状と全く一致した。
    3. 罹病性品種では菌侵入直後からエチレンの生成がみられ,接種11日目まで増加したが,14日目以降は急減した。抵抗性品種では接種2日目に一時的にエチレンの生成がみられたのみであった。
    4. 進行性病斑ではエチレンの生成が多く,単位病斑面積当りの成生量はほぼ一定に保たれている。停止型病斑ではエチレンの生成は非常に少ない。
    5. 上位葉に接種するほど,また病斑数の多いほどずりこみは甚だしくなるが,エチレンの生成量も多くなる。
    6. エスレル施用イネといもち病菌接種イネについて,処理後14日目までのエチレン総生成量を概算し,単位エチレン量当りの生育阻害度を比較すると,接種の場合が阻害度が強かった。しかしエチレンの発生時期,持続性の差などを考慮すると大差があるとは考えられなかった。
    6. 以上の結果から,いもち病罹病イネでずりこみを起す主起因物質はエチレンであろうと考えられる。
  • 石井 英夫, 山口 昭
    1977 年 43 巻 5 号 p. 557-561
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    昭和50年(1975年)に,富山,千葉,三重および鳥取の各県において,ナシ黒星病に対してチオファネートメチル剤およびベノミル剤の防除効果が低下する現象がみられた。そこで,これらのナシ園から分離した菌株について,両薬剤に対する耐性の有無を検定した。
    In vitroの菌糸生育試験の結果,両薬剤に耐性を示す菌株が多数検出された。胞子発芽試験の結果では,発芽管長は耐性菌株と感性菌株の間に差が認められたが,発芽率では差は認められなかった。さらに耐性菌株を,薬剤を処理したナシ生葉に接種して,薬剤防除効果の低下現象を再現することができた。
    以上のことから,チオファネートメチル剤およびベノミル剤の効力低下が観察された地域では,両薬剤に耐性のナシ黒星病菌が圃場に分布し,防除効果の低下に重要な役割を果たしたものと推定される。
  • 尾谷 浩, 森川 通明, 西村 正暘, 甲元 啓介
    1977 年 43 巻 5 号 p. 562-568
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病菌の分泌する宿主特異的毒素(AK-毒素)は,感受性ナシ(二十世紀品種)のK+透過機能に障害を引き起すが,このAK-毒素作用に対する各種カチオンの効果について検討した。感受性ナシ組織では,AK-毒素処理後,直ちにK+の急激な漏出を生じたが,Na+, Mg2+, Ca2+などの漏出は,無処理ナシ組織からの漏出よりもむしろ減少する傾向にあった。一方,AK-毒素によるK+異常漏出は,ナシ組織にNa+, Mg2+, Ca2+などのカチオンを添加することによって,さらに著しく促進された。この促進効果は,添加カチオンの除去によって容易に消失した。Na+とMg2+による促進効果は,処理濃度の上昇(0.01-10mM)とともに増大したが,Ca2+の効果は,5mM以上の濃度で急激に減少した。以上の結果から,AK-毒素による宿主細胞膜のK+透過機能障害には,宿主組織に存在する数種のカチオンが関与しており,それはAK-毒素効果に対して促進的に働いているものと考えられる。
  • 富永 時任, 西山 幸司, 山本 勉
    1977 年 43 巻 5 号 p. 569-574
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    徳島県下でハウス栽培のナスに褐色の斑点を生ずる一種の細菌病が発生した。本病は冬期に発生し,主に葉,花蕾,花柄を侵し,落葉,花蕾の落下,生育抑制などをひき起した。罹病植物から細菌を分離し,病原性,細菌学的性質および血清学的性質を検討したところ,病原細菌はPseudomonas cichorii (Swingle) Stapp 1928であることが明らかになった。同菌によるナスの病気は報告がないので,褐斑細菌病(necrotic leaf spot)と呼ぶことにしたい。
    ナスの斑点細菌病は病徴と発生生態がよく類似しているが,病原細菌の細菌学的性質が若干異っており褐斑細菌病と異なるものと思われる。
    P. calendulae (Takimoto) Dowson 1943はP. cichoriiの異名と考えられる。
  • 鍋田 憲助, 門田 源一, 谷 利一, 志賀 宏志
    1977 年 43 巻 5 号 p. 575-582
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    エンバク初生葉の水磨砕物から2種の抗菌性ステロイドを分離し,26-desglucoavenacosid (26-DGA) AおよびBと同定した。また,2種の抗菌性フラボノイドO"-rhamnosylisoswertisin (RIS)および未同定物質(UF)を分離した。Puccinia coronata avenae夏胞子の発芽管伸長阻害力はRISおよびUF(それぞれED50=1,500および500μg/ml)にくらべて26-DGA A, B (ED80=14μg/ml)が極めて大きかった。生重1gあたりの26-DGA A, Bの含量は水磨砕物からはそれぞれ930, 280μgと算出されたが,生葉を熱メタノールに浸漬後に磨砕した場合には両物質とも痕跡しか検出されなかった。一方,RISおよびUFの含量は両磨砕物間で変わらず,それぞれ750および300μg/g生重であった。なお,これら4物質以外の抗菌性物質は検出されなかった。以上の結果から,水磨砕物の抗菌性は主として26-DGA A, Bによるが,それらは磨砕による傷害のために生成されたものであり,intactな生葉ではRISとUFが抗菌性の主成分であると考える。ただし,これらの抗菌物質はエンバク-さび菌の組み合せにおける種間特異性には関与しないと推定した。
  • 藤沢 一郎, 杉本 利哉
    1977 年 43 巻 5 号 p. 583-586
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 加藤 盛
    1977 年 43 巻 5 号 p. 587-589
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 勝部 利弘, C.R. de VAZ
    1977 年 43 巻 5 号 p. 590-592
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 高橋 幸吉, 佐藤 守
    1977 年 43 巻 5 号 p. 593-597
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    A new type of disease of mulberry, necrotic spot with halo on leaves and generalchlorosis of young shoots, was found in Shimane Prefecture in 1971. The bacteriumisolated from infected leaves was similar to Pseudomonas mori in its bacteriologicaland serological properties and in its host range, hence was identified as a new strainof Ps. mori causing halo blight by means of its halo-inducing toxin.
  • 佐藤 章夫, 冨山 宏平
    1977 年 43 巻 5 号 p. 598-600
    発行日: 1977/12/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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