ジャガイモ・ウイルスX (PVX),ジャガイモ・ウイルスY (PVY)およびキュウリモザイクウイルス(CMV)にそれぞれ罹病したタバコカルスや,タバコモザイクウイルス(TMV)に罹病したトマトカルスおよびPVXに罹病したジャガイモカルスを各罹病植物から起こした。これらのカルスを堅い組織および軟かい組織が生じやすい適当な条件下でそれぞれ継代培養してウイルス濃度の消長を検討した結果,すべての宿主一ウイルスの組み合せにおいて,軟かいカルスを生じる条件下ではウイルス濃度が継代とともに急速に低下した。堅いカルス中ではウイルス濃度は一般に高いレベルに保たれたが,CMVの場合は堅いカルス中でも急激に低下し,同様の傾向はトマト組織のTMVでも認められた。