日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
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44 巻 , 3 号
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  • 與良 清
    1978 年 44 巻 3 号 p. 228-230
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 西原 夏樹
    1978 年 44 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本邦の温暖地で牧草や飼料用青刈作物(これらを合せてここでは牧草類あるいは単に牧草と呼ぶこととする)が本格的に栽培されるようになったのは近年のことである。それに先行してその導入試験研究が昭和20年代の後半から盛んに行なわれるようになったが,その初期の段階ですでに病害の発生が問題となった。しかしその当時この地帯の牧草類については病害の研究がほとんど行なわれておらず,発生している発病害の種類すら全くといってよいほど分っていなかった。そこでそれを明らかにし,緊急防除策を講ずることを要請され,昭和30年にこの研究を始めることとなった。
    本邦温暖地は,いわゆる西南暖地と呼ばれる地帯でも冬季は低温で,暖地型牧草(南方型牧草ともいう)は多年性のものでも多くは越冬困難で,越冬したものでも春の萌芽は遅い。一方,夏季は熱帯並みの暑さで,寒地型牧草(北方型牧草ともいう)の生育は停滞し,生産は極度に落ちる。このように温暖地では寒地型および暖地型のいずれの牧草も単独では年間の長期にわたって粗飼料を連続生産することはできず,したがってこれら二つの型の牧草類を栽培することが必要となる。
    そのような事情から,温暖地においては,適する牧草を求めて導入試験される草種はもちろん,実用栽培される草種にも激しい変遷がみられ,それは現在も続いている。私は20余年にわたり,それに対応してきたため,取扱った草種は多数にわたり,手がけた病害の種類もまた多数にのぼる。導入される草種または品種の変遷があまりに急なため,研究の中途で病害の方が消滅したり,導入後日浅くいまだ研究未完結の病害も多い。
    自らの設計に基づいた草種をとり上げ,あるいは特定の病原群について調査研究を行なったわけではないので,得られた成果は雑多な牧草類病害の羅列に過ぎないが,ここではそのうち糸状菌病の病原(因)学的研究の結果得られた若干の病害または病原菌を概説するとともに,この研究を行っている間に気付いた,イネ科牧草類の寒地型と暖地型との間にみられる発生病害への感受性の相違,さらにその相違と寄主イネ科植物の系統分類との関係について考察を加えてみることとしたい。
  • 大畑 貫一
    1978 年 44 巻 3 号 p. 235-237
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    昭和27年に有機水銀剤が,いもち病に実用化され,画期的な防除効果をあげたが,数年を経ずして,水銀剤を散布しても,籾の変色や穂の枯損が一向に防げないとの声が全国的に起こり,従来,穂いもちとみなされていたものの中に,実はいもち病以外の原因によるものがかなりあるのではないかと考えられるようになった。このような症状は変色穂,変色籾,穂枯れ症,あるいは穂いもち類似症などと呼ばれてきたが,木谷らはこれを一括して「穂枯れ」と呼ぶことを提唱した。
    穂枯れの原因については既に各地の試験研究機関で解明されつつあったが,全国的には,なお不明な点が多く,一部には混乱もあった。そこで筆者は,穂枯れの原因の究明と診断法の確立,ならびに主要原因であるごま葉枯病を対象に,発生生態,品種抵抗機作の解明および防除法の確立について一連の研究を実施した。
    なお,本研究は筆者が四国農業試験場に在職中に実施したものであるが,筆者一人の手になるものではなく,共同研究者である木谷,久保両氏はもとより,病害研究室員,および2年にわたって試料の送付をいただいた各県の関係者など多くの方々のご指導とご協力によってはじめてなしえたものである。ここに記して深謝の意を表する。
  • 成田 武四
    1978 年 44 巻 3 号 p. 238-240
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    北海道において,農作物病害の発生が注意され,記録されるようになったのは3県1局(1882∼1886年),ついで北海道庁(1886年)が設置された1880年代に入ってからである。もちろん,開拓使時代(1869∼1882年),あるいは松前藩時代(1590∼1869年)にも既に各種病害が発生していたと推測されるが,これを実証する記録,資料を欠くので,今後さらに検討する必要がある。
    1891年(明治24年),「北海之殖産」誌上に発表された宮部および橋本の報文が,学術的記録としてもっとも古いようである。前者は「植物〓病に就て」と題して当時発生の麦黒奴(黒穂病),トウモロコシ黒奴,麦の葉渋(さび病),ネギの葉渋などを記述し,後者は小麦のバント,燕麦のスマットなどの黒穂病予防試験成績を記述している。しかし,1880年代には一般にも病害の発生が注意されていたようで,札幌の勧農協会会報に麦のラスト(さび病,1882年),麦奴(黒穂病,1883, '84, '86年),茄子立枯病(1885, '86年)などの記事がある。また,1886年には,近年小麦にさび病発生が多いとして道庁長官から防除についての諭達がだされ,さらに道庁勧業課から麦類黒穂病の防除法が公示されている。なお,1882年にはインゲン角斑病の標本が渡島地方で採集されている。
    1895年以後,札幌農学校宮部教授の教室で植物病理学専攻の学生が農作物病害の研究をはじめるようになり,1901年北海道農事試験場に病理昆虫部門が設立されて農作物病害についての試験研究が進められた。1905年ごろまでに,前記の各病害のほかいもち病,ジャガイモ疫病,テンサイ褐斑病,アマ立枯病,ダイズ菌核病,リンゴ赤星病,リンゴふらん病などが相次いで記録されたが,当時は主として病害および病原菌の一般性状を解説した報文が多かった。その後(1950),北農試は国立(北農試)と道立(道農試)とに分離されているが,各農試は北海道大学農学部植物教室,その他の試験機関とともに,重要病害の発生生態を究明し,防除法を確立するための試験研究を発展させ,また発生する病害の全貌を把握するため不断の努力を払ってきた。この間,各種病害について幾多の試験研究成果が報告されてきたが,この成果は道庁の病害防除行政,防除技術の指導,普及に活用されている。
    筆者は,これらの文献を蒐集,整理して病害発生の動向,変遷を史的に展望し,病害発生要因を検討したが,文献のほか,大学,試験研究機関などに保存されていた標本,あるいは筆者の調査観察にもとづき,北海道における農作物病害目録を作成した。採録した作物種類は約190,各作物病害数約1,100,同病原数約1,200(共通のものを除くと約600,このうち新たに記録したもの約80)である。
  • 鈴木 公雄, 高橋 実
    1978 年 44 巻 3 号 p. 241-246
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. キュウリ根分泌物のP. aphanidermatumの遊走子に対する誘引および被のう化物質の主体は,耐熱性,活性炭非吸着,80%熱エチルアルコール可溶,エチルエーテル不溶の陽イオン分画に認められた。
    2. キュウリ根分泌物のペーパークロマトグラフィーによる生物検定の結果,アスパラギン酸,セリン,グリシン,グルタミン酸,スレオニンおよびアラニンと同一Rf値を与える物質の展開がみられ,このRf値で強い走化性能が認められた。
    3. キュウリ根分泌物の活性炭非吸着のアミノ酸について分析した結果,既知10種および未同定2種のアミノ酸が確認された。
    4. 確認されたアミノ酸について遊走子の走化性能を調査した結果,セリンおよびグルタミン酸で強い走化性能が認められた。特に,セリンは既知のグルタミン酸以上にその活性が強く,また産生量も多かった。従って,セリンが本菌のキュウリ根分泌物の走化性物質として重要であると推察された。
    5. キュウリ根圏土壌抽出物中にも,本菌の遊走子に対する走化性能が認められ,自然土壌中においても本菌の遊走子が寄主根へ走化性を示す可能性が示唆された。この場合,走化性物質は根分泌物で認められたアミノ酸以外の存在も考えられた。
  • 大村 敏博, 脇本 哲
    1978 年 44 巻 3 号 p. 247-254
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    30日ごとに70代継代したタバコカルスの内,緑色で密な組織からなり,タバコモザイクウイルス(TMV)を高濃度に含むカルスを分化培地に移すと多数の芽が分化したが,TMVを含む緑色のカルスからなるべく透明な部分を継代することによって得た無ウイルスの透明なカルスでは分化が認められなかった。TMVを除去したカルスから芽を分化させる条件を検討した結果,長期(50日)の継続代期間,高濃度(2mg/l)のカイネチンを含む培地の使用,あるいは強い光条件下(3,000-12,000lux)での培養が好適であることが明らかになった。これらの条件下で生じたウイルス除去カルスの緑色がかった固い部分を毎回継代することによって得た緑色で密な組織は分化能を再び獲得した。
    6年間継代培養したカルスから得た小植物はすべて異数体であったが,TMVに罹病した茎から新たに起こし,ウイルスを除去したカルスから得た無ウイルスの植物は元の植物の染色体数(2n=48)を有していた。
  • 佐藤 守
    1978 年 44 巻 3 号 p. 255-261
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    クワ縮葉細菌病菌Pseudomonas moriの溶原株の検索をいくつかの方法で行なった結果,供試菌12株中5株がテンペレートファージを産生する溶原株であった。それぞれのファージをφ5, φ6, φ7b, φ7c, φM5と命名した。
    各ファージの寄主範囲は,φ7b, φ7cが広く,φ5, φ6, φM5では狭かった。しかし,平板効率は指示菌により著しく異なった。
    φ7b, φ7cは,振とう培養(28C 24時間)により,親株から多数(106∼107/ml)産生されたが,他の株は,103∼104/mlと低い産生数であった。
    φ7b, φ7c, φ5は,適温20Cで直径0.5mm前後の小型の比較的混だくした溶菌斑を形成したが,φ6, φM5は,1∼2mmの比較的透明な溶菌斑を形成した。
    φ7b, φ7cは,極めて耐熱性(95C 10分)で,かつ,クロロホルムで不活化されたが,他は50C前後で死滅し,クロロホルムで不活化されなかった。
    上記の性状から,これらのファージは3群に分けられた(Table 7)。
    各溶原株の単個集落分離による15代継代培養,クワ経由あるいは集落変異によっても,その溶原性は失われなかったが,いくつかの欠陥溶原菌と思われる変異株が得られた。
  • 高木 康至
    1978 年 44 巻 3 号 p. 262-269
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    エノキタケ鋸屑培地培養物抽出液のタバコモザイクウイルス(TMV)に対する感染阻止作用について検討した。本抽出液に含まれる活性成分は,セファデックスカラムによるゲル〓過クロマトグラフィーの結果から,分子量15,000∼50,000と推定された。活性の認められるフラクションの蛋白質と糖に対する呈色反応は,いずれも陽性であった。しかしこのフラクションを除蛋白処理あるいはプロテアーゼ処理しても活性に変化はなく,活性の主体は糖にあると推察された。また,このフラクションの構成単糖を薄層クロマトグラフィーにより分析したところ,ガラクトース,グルコース,マンノース,キシロースおよび未同定の単糖1種が検出された。本抽出液のTMV感染阻止作用は寄主植物の種類により若干の差異がみられた。また,本抽出液は,TMVと混合するか植物葉に前処理した場合はTMV感染を強力に阻害したが,TMV接種後の処理ではほとんど阻害効果を示さなかった。抽出液を処理した植物葉をTMV接種前に水洗すると,阻止作用は低下した。本抽出液とTMVの混合物を希釈すると感染性の復活がみられ,この混合物をセファデックスG-75カラムでゲル〓過を行なうと,TMVの溶出してくるフラクションに感染性が認められた。
  • 後藤 正夫, 白松 太美男, 野崎 和俊, 川口 邦男
    1978 年 44 巻 3 号 p. 270-276
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    静岡県下のイチゴ苗圃に青枯病が発生し,30%前後の苗の枯死がみられた。これらの病菌はすべて病原型8a (biovar III型)又は4 (biovar IV)であった。自然感染の病徴は若い上位葉から萎凋が起ったが,人工接種では下位葉から徐々に脱水症状を呈して枯れ上ることが多く,しかもしばしば途中から回復した。病徴を現わすことなく越冬し,開花結実した外見健全な株から病菌が分離され,感染株の一部が保菌株として生存する事実が明らかとなった。病菌の発育温度と病原性の間には高い相関性はみられなかった。罹病株の葉柄,茎および根の維管束の細菌集団による閉塞はごく一部の導管に限られていた。根の維管束ではしばしば導管壁が破かいされ,細菌窩の形成がみられた。
  • 大村 敏博, 脇本 哲
    1978 年 44 巻 3 号 p. 277-281
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ジャガイモ・ウイルスX (PVX),ジャガイモ・ウイルスY (PVY)およびキュウリモザイクウイルス(CMV)にそれぞれ罹病したタバコカルスや,タバコモザイクウイルス(TMV)に罹病したトマトカルスおよびPVXに罹病したジャガイモカルスを各罹病植物から起こした。これらのカルスを堅い組織および軟かい組織が生じやすい適当な条件下でそれぞれ継代培養してウイルス濃度の消長を検討した結果,すべての宿主一ウイルスの組み合せにおいて,軟かいカルスを生じる条件下ではウイルス濃度が継代とともに急速に低下した。堅いカルス中ではウイルス濃度は一般に高いレベルに保たれたが,CMVの場合は堅いカルス中でも急激に低下し,同様の傾向はトマト組織のTMVでも認められた。
  • 高木 康至, 小川 括郎
    1978 年 44 巻 3 号 p. 282-287
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    非イオン性界面活性剤19種について,これらのタバコモザイクウイルス(TMV)に対する感染阻止効果を検討した。供試した界面活性剤のHLB価は4.7から16.7にわたる種々のものであったが,HLB価と感染阻止効果の間に明らかな相関関係は認められなかった。しかし,ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルでは感染阻止効果はそのHLB価によって異なり,HLB価13.7付近のものに強い阻止効果が認められた。また,感染阻止効果は疎水基の構造によっても影響され,アルキルフェノール基ではノニルフェノール基が,アルキル基ではラウリル基が,それぞれ最もすぐれていた。今回の実験に供試した19種の界面活性剤のうちではポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルのHLB価13.7のもの(エマルゲン911)が最も高い感染阻止効果を示した。このエマルゲン911のTMV感染阻止作用について2, 3検討した結果,ウイルス粒子の寄主の感染可能部位への付着を阻害する可能性および感染過程の初期段階に対して阻害的に作用する可能性を推察させる結果が得られた。
  • 中田 昌伸, 福永 憲三, 鈴木 直治
    1978 年 44 巻 3 号 p. 288-296
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネ萎縮病ウイルス感染葉から分離したウイルス標品はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって7種のポリペプチドに分離された。泳動距離の短かい方から順にI∼VIIとした。それぞれの分子量は193,000 ;152,000; 110,000; 62,000; 46,000; 45,000ダルトンであった。キモトリプシン処理によって外殻ポリペプチドは除かれなかった。CsCl濃度勾配平衡遠心によってM1, M2, Bの三成分に分かれ,それぞれの浮遊密度は1.39∼1.42, 1.43, 1.46g/mlであり,CsCl内での遠心によるshearing forceを受けて粒子はM1→M2→Bへと変化したものと考えられる。電子顕微鏡観察と電気泳動からBはIIとIVが完全に, VIとVIIが一部除かれたものであり,IIとIVは最外殻を形成する不定形のポリペプチド,VIとVIIはカプソメアを形成するポリペプチドと考えられる。I, III, Vはコアを形成するポリペプチドと推測され,Vは凍結融解によって核酸と共に粒子から漏出することから核内のポリペプチドと考えられる。
  • 堀野 修
    1978 年 44 巻 3 号 p. 297-304
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報告は1973年および1975年に全国各地の白葉枯病罹病葉から分離した菌株について病原性検定を行った結果から,主として各都府県,各地域に分布する菌系について比較検討を加えたものである。さらにわが国における菌系分布の地域的特性,支配要因および寄主品種と分離菌病原性との関係について論及した。
    1. 427分離菌の病原性検定の結果,I群菌259, II群菌128, III群菌36, IV群菌3, V群菌1であった。I群菌はわが国に最も多く分布していたが,II, III群菌も全国平均で30%, 8%それぞれ分布しているので,黄玉群品種に属する既存の抵抗性品種によって的確な防除が不可能であることを指摘した。
    2. II群菌はわが国のほぼ全域にI群菌と混在して分布していた。III群菌は東北北陸地域から分離されなかったが,長野,山梨両県以西ではかなり高密度に分布していることがうかがわれた。とくにIII群菌分離率の高かった県は長野,熊本,鹿児島であった。
    3. IV群菌は1975年に長崎市三重田町,沖縄県恩納村,および名護市幸喜から3菌株分離された。V群菌は宮崎県西臼杵郡五ケ瀬町から1菌株分離された。
    4. 九州沖縄地域ではI群菌からV群菌まですべての菌系が分布しており,他の地域に比べるととくにII群菌の分離率が高かった。これは同地域において長年黄玉群品種が栽培されてきたため,黄玉群品種を侵しうるII群菌の密度が増加したためと考えられる。
    5. 菌系分布に栽培品種の抵抗性が影響することは十分考えられるが,黄玉群品種地帯と金南風群品種地帯から分離された各菌系分離率を検討したところ,菌系分布の支配要因は必ずしも栽培品種だけでないことが示唆された。今後,環境要因,耕種条件との関連についても検討する必要がある。
    6. 寄主品種と分離菌病原性との関係を金南風群品種と黄玉群品種について検討した結果,金南風群品種と病原性との間には明らかな関係がみられなかった。黄玉群品種の場合,II, III群菌のみが分離されたが,II群菌分離率がIII群菌に比べてきわめて高いことが認められた。
  • 米山 勝美, 見里 朝正
    1978 年 44 巻 3 号 p. 305-312
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Dithiocarbamate系殺菌剤Sodium dimethyldithiocarbamate (NaDMDC)によるイネ白葉枯病菌の脂質合成阻害作用について検討した。
    1. NaDMDCは白葉枯病菌の脂質への14C-acetateの取り込みを最も顕著に阻害したが,この阻害は本菌の代謝活性が盛んな場合にさらに大きく助長された。
    2. NaDMDC処理菌の脂質をカラムクロマトグラフィーにより分析した結果,全ての脂質成分においてほぼ等しく阻害されることが示された。
    3. NaDMDC処理菌から抽出・単離したPhosphatidylethanolamineを加水分解した結果,14C-glucoseからの取り込みはglycerylphosphorylethanolamine部分よりも脂肪酸部分で著しく阻害されていることが認められた。
    4. 14C-palmitic acidおよび14C-oleic acidのリン脂質分画への取り込みはNaDMDCにより殆んど阻害されなかった。
    以上の結果から,NaDMDCの作用は脂質合成系における長鎖脂肪酸からリン脂質合成までの過程ではなく,それより以前の脂肪酸合成系に関連していると考えられる。
  • 米山 勝美, 関戸 茂子, 見里 朝正
    1978 年 44 巻 3 号 p. 313-320
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Sodium dimethyldithiocarbamate (NaDMDC)の作用機作に関する以前の研究は,イネ白葉枯病菌の脂質合成阻害が長鎖脂肪酸からリン脂質合成までの過程に関連しないことを明らかにした。本研究では酢酸から脂肪酸形成までの過程に及ぼすNaDMDCの作用について調べた。
    1. NaDMDCは酢酸からacetyl CoAに関与する2種の酵素acetate kinase, phosphotransacetylaseのどちらにも阻害作用を有しなかった。
    2. acetyl CoAからmalonyl CoA合成に関与する酵素acetyl CoA carboxylaseに対してもNaDMDCは阻害を示さなかった。
    3. 白葉枯病菌の無細胞抽出液あるいは大腸菌の脂肪酸合成酵素系における脂肪酸への14C-malonyl CoAの取り込みはNaDMDCによって顕著に阻害された。
    以上の結果から,NaDMDCは白葉枯病菌の脂肪酸合成を第一次的に阻害し,脂質合成全体に著しい影響を与えるものと考えられる。
  • 呂 理〓
    1978 年 44 巻 3 号 p. 321-324
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Ustilago scitamineaの1号菌と2号菌の担胞子を人工交配すると新しい病原性系統3号菌が得られる。3号菌は品種NCo310及びF134を侵す。親の1号菌はNCo310に,2号菌はF134に病原性が有るだけである。
    1号菌及び2号菌の黒穂胞子を等量混合し,感受性品種の芽に接種後,室温(26-28C)に数日置き,それから植えると,出て来た黒穂からは1号菌あるいは2号菌のどちらか一方だけが検出された。
    本菌親和性の再研究のため,5個の黒穂胞子から5組の単一担胞子を分離,培養後交配した結果,本菌の親和性は一対の対立因子から成る二極性である事が示された。親和性の組合せではPDA上で菌糸の生長が見られた。不親和性の組合せでは酵母状の粘質集落の状態にとどまった。
  • 谷 利一, 山本 弘幸, 大麻 敬剛, 山下 洋子
    1978 年 44 巻 3 号 p. 325-333
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネ科植物を宿主とするさび菌6種およびそれ以外のさび菌8種を供試して,夏胞子の侵入に対するエンバク子苗初生葉(品種勝冠1号)の非宿主反応について検討した。前者のグループに属するさび菌は,シバさび菌を例外として,すべて高頻度に付着器を気孔上に,気孔下のうを気孔下にそれぞれ形成し,エンバク冠さび菌の動向と大差がなかった。一方,後者に属するさび菌は,例外なく,発芽管が気孔にむかって伸長する頻度が低く,したがって,感染構造体(infection structure)を多く形成する菌でさえも,気孔侵入は稀にしかみられなかった。イネ科植物に病原性のある5種のさび菌の侵入後の発育はエンバク冠さび菌不親和性レース226よりも劣っていた。両者間には吸器形成期以前にすでに有意差が認められた。これらのさび菌を前接種したエンバク葉では,エンバク冠さび菌親和性レース203の発育が著るしく抑制された。また,接種葉では,12または16時間後に3H-ウリジンおよび14C-ロイシンの酸不溶区分へのとり込みが無接種対照区よりも増加した。さらに,あらかじめRNA合成阻害剤(コルジセピン)または蛋白質合成阻害剤(ブラストサイジンS)を吸収させた接種葉では菌体発育の促進がみられた。以上の諸結果から,イネ科植物を宿主としないさび菌はエンバク葉面と特異的関係を欠くために気孔侵入ができず,一方,イネ科植物を宿主とするさび菌に対しては,エンバク葉の誘導抵抗発現が伸長阻害の一因であろうと推定する。
  • 矢野 博, 藤井 溥, 向 秀夫, 福安 嗣昭, 渡辺 哲郎, 関沢 泰治
    1978 年 44 巻 3 号 p. 334-336
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 岩木 満朗
    1978 年 44 巻 3 号 p. 337-339
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 白田 昭, 高橋 幸吉, 冨山 宏平
    1978 年 44 巻 3 号 p. 340-343
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 44 巻 3 号 p. 344-406
    発行日: 1978/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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