日本植物病理学会報
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キュウリモザイクウイルスの保存に対する各種添加物の影響
福本 文良栃原 比呂志
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1980 年 46 巻 4 号 p. 448-454

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抄録

キュウリモザイクウイルスについて簡便で長期間安定な保存方法を確立するため,各種添加物を加えて非凍結,凍結および凍結乾燥保存を行い以下の結果を得た。
1. NaN3を添加した5 mM B. B. pH 8.6に溶解した純化ウイルス液は4 C保存で2~12か月後には病原性が認められなくなったが,純化ウイルス液に等量(v/v)のグリセリンを混合して-20Cに保序すると長期間病原性が維持された。
2. タバコ病葉に50 mM B. B. pH 8.5を加え,磨砕搾汁した粗汁液(以下粗汁液と略す)と純化ウィルス液では凍結処理による病原性の低下が認められなかった。-20Cに保序すると粗汁液では1~3か月で病原性の大部分が失われたが,しょ糖かグルタミン酸ナトリウムを添加すると,長期間高い病原性を維持した。純化ウイルスでは無添加区としょ糖添加区いずれも長期間高い病原性を示した。
3. 粗汁液を凍結乾燥すると病原性が大幅に低下したが,しょ糖,グルタミン酸ナトリウム,ポリペプトン等を添加すると病原性の低下は認められなくなった。それらの標品を35Cに保与すると無添加では病原性はかなり低下していくが,しょ糖,グルタミン酸ナトリウム,ポリペプトン等を添加すると長期間高い病原性を維持した。純化ウイルスでもこの3種添加物は35Cの保存で顕著な保護効果を示した。粗汁液および純化ウイルスいずれも凍結乾燥後4 C以下に保存すると長期間病原性の低下はほとんど認められなかった。

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