抄録
1. Phytophthora vignaeの卵胞子発芽に対する浸透ポテンシャル(Ψx)の影響について調べた。用いた発芽用培地は1.5%寒天培地で,浸透ポテンシャルをNaCl, KCl, glucose, mannoseで調節した。
2. 溶質の種類に関係なく浸透ポテンシャルの低下により卵胞子の発芽率は下がり, -3.0 barsで発芽はほとんど抑制された。
3. 浸透ポテンシャルの低下によって卵胞子の発芽までに潜伏期間が必要とは認められなかった。
4. 発芽培地の溶質にglucoseを用いた場合,発芽した卵胞子から菌糸のみが伸長し,他の溶質では,浸透ポテンシャルの値に関係なく発芽管末端に遊走子のうを形成した。