1982 年 48 巻 1 号 p. 27-33
クワ縮葉細菌病菌Pseudomonas syringae pv. moriの各菌株は,分子量約4.5∼70メガダルトンのプラスミドを,それぞれ2∼4個,保有していた。供試17菌株は,そのプラスミドパターンから9群に分けることができた。これらプラスミドパターンとハロー毒素産生能,ファージ感受性あるいは他の性状との間には明らかな関係を認められなかった。
供試したすべての菌株は,P. syringae pv. tabaci BR2の伝達性プラスミドpBPW1によって非伝達性プラスミドRSF1010を高頻度に受容し,かつ,それを大腸菌(受容菌)に,非常に低率ではあるが,再伝達した。このことは,本菌のプラスミドが抑制された状態で存在するか,あるいはRSF1010を低率で可動化できる固有の接合システムをもっていることを示している。