日本植物病理学会報
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ジャガイモ塊茎切片中の細胞壁分解酵素の誘導に及ぼすコロナチンの影響
酒井 隆太郎美濃 羊輔細井 恵美子
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1982 年 48 巻 1 号 p. 52-57

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抄録
Pseudomonas syringae pv. atropurpurea (Reddy and Godkin) Young et al.の生産する菌体外毒素,コロナチンによりジャガイモ塊茎切片中に誘導される肥大機構解析の一部として,セルラーゼ,ポリガラクチュロナーゼ(PG)およびポリメチルガラクチュロナーゼ(PMG)活性に対する影響を調べた。
セルラーゼ,PGおよびPMGの最適pHはそれぞれ5.0, 4.0および5.0附近にあった。これら3つの酵素活性はコロナチン処理によりかなり増加した。Ca++によってセルラーゼ活性はほとんど影響されなかったが,PG活性はかなり阻害され,PMG活性は促進された。コロナチンによって誘導される肥大化はこれらセルラーゼ,PGおよびPMG活性の増大による細胞壁のの弛緩に一部起因するものと考えられる。
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