日本植物病理学会報
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カンキツかいよう病菌とその拮抗細菌(Pseudomonas sp.)の液体培地中およびカンキツ葉組織内における相互関係
太田 孝彦
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1983 年 49 巻 3 号 p. 308-315

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抄録

カンキツかいよう病斑から分離した拮抗細菌(Pseudomonas sp.)は,培地内においてもカンキツ葉組続織内においても,カンキツかいよう病菌の増殖を著しく抑制した。PS培地内での拮抗細菌によるかいよう病菌の増殖阻害の程度は培地の濃度が低いほど低下する傾向を示した。このことから,培地内での拮抗現象は栄養分の摂取競合によるものではないと判断した。培地内での拮抗細菌の増殖はかいよう病菌によって阻害されることはなく,希薄な培地においてはやや助長される傾向があった。両細菌をカンキツ葉組織内に接種した場合,拮抗細菌によるかいよう病菌の増殖阻害の程度は接種法によって異なり,注入接種の場合には付傷接種の場合ほど顕著でなかった。拮抗細菌は単独接種の場合でもカンキツ葉組織内で数日間はかなり増殖するが,かいよう病菌と混合接種すると,その増殖は助長された。また,単独接種した拮抗細菌は増殖後急速に減少していくが,この減少傾向はかいよう病菌と混合接種すると著しく抑えられた。

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