日本植物病理学会報
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カンキツ葉蛋白性成分によるカンキツかいよう病菌(Xanthomonas campestris pv. citri)の凝集
高橋 敏房道家 紀志
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1983 年 49 巻 5 号 p. 600-609

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抄録

カンキツかいよう病菌の非洗浄菌体および菌体外多糖質(EPS)を凝集するが,洗浄菌体や非洗浄EPS非生産菌体を凝集しない蛋白質性の成分が,ウンシュウ,ナツダイダイおよびポンカンの葉より得られた。同成分は,葉の磨砕液からHCl酸性溶媒(pH 4.0)で抽出され,50%飽和硫安で沈殿回収された。この凝集素は,熱および蛋白質分解酸素に不安定で,100mMより低濃度の各種の塩類には影響を受けず,pH 6以上で活性が阻害された。同様な凝集は,他のXanthomonas菌であるカンラン黒腐病菌およびインゲン葉焼病菌の非洗浄菌体,およびそれらのEPSでもみられた。しかし,検定した18種の糖のうち,D-glucosamineのみがカンキツかいよう病菌の凝集を阻害したが,他のXanthomonas菌の凝集は阻害しなかった。

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