抄録
オオムギ苗の第1葉を切除すると第2葉に,第2葉を切除すると第1葉に,根や根部に残存する胚乳を切除すると,第1,第2葉にうどんこ病菌の感染に対する抵抗性が誘導される。抵抗性は切除2時間以内に誘導され,少くとも6時間,長い場合には120時間以上持続する。器官の切除は,接種菌の菌糸の生長には影響を与えない。根と共に胚軸を切除すると,抵抗性は誘導されず,第1葉ではむしろ感受性が誘導されるので,オオムギ苗におけるうどんこ病菌に対する誘導抵抗性や,抵抗性の維持には,胚軸が重要な役割をはたしているものと考えられる。