日本植物病理学会報
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オオムギ,コムギ,エンバクに寄生するUstilago属菌酵素の電気泳動パターンの比較
兼平 勉篠原 正行
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1986 年 52 巻 4 号 p. 660-668

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抄録
オオムギ,コムギおよびエンバクに寄生する4種のUstilago属菌を供試し, 7種類の酵素,エステラーゼ,ペルオキシダーゼ,ロイシンアミノペプチダーゼ,酸性ホスファターゼ,リンゴ酸脱水素酵素,グルタミン酸脱水素酵素およびグルコース-6-リン酸脱水素酵素の電気泳動パターンを比較した。その結果, U. nuda, U. tritici, U. hordei, U. avenaeの分離菌株はそれぞれ種内でほぼ同一の電気泳動パターンを示した。また, U. avenaeU. hordei間ではエステラーゼ,ロイシンアミノペプチダーゼおよびリンゴ酸脱水素酵素の電気泳動パターンに差はなく,その類似度は約70%であった。U. nudaU. triticiの間では電気泳動パターンに差が認められ,その類似度は約10%であった。以上のことからU. nudaU. triticiは分類上区別するのが妥当であると考える。
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