1987 年 53 巻 2 号 p. 198-202
台湾では1955年以来,茶樹において健全枝に混じって原因不明の枯死枝がしばしば観察されてきた。異なる産地の種々の品種から収集した104本の罹病枝のうち102本からM. theicolaが分離された。コムギ-エンバク培地で生育させたM. theicolaを接種した場合,3週間後には86%以上の接種枝で自然病徴と類似の胴枯症状が再現され,またすべての感染枝からM. theicolaが再分離された。オートクレーブした菌およびPDA培地で生育させた同菌を接種した場合にはいずれも無病徴で健全のままであった。M. theicolaは比較的高温下で生育良好であり,また低い水ポテンシャルでも生育可能で,38Cおよび-71バールではそれぞれ2日および5日で約0.3cmの菌糸の伸長が認められた。