日本植物病理学会報
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53 巻, 2 号
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  • 後藤 孝雄, 西山 幸司, 大畑 貫一
    1987 年 53 巻 2 号 p. 141-149
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1973年から8年間にわたって,イネもみ枯細菌病の疑いがもたれる罹病穂を多数の地域から採集し,病原細菌83菌株を分離した。病原細菌は細菌学的性質の違いにより4つの群に類別され,第1群菌14菌株はPseudomonas glumae,第2群菌16菌株はP. syringae pv. aptataと同定した。第3群菌26菌株はP. fluorescensに近縁な一種と考えられた。また,第4群菌27菌株は微好気性である点で他のものと際立って異なり,同定を保留した。これら4群の細菌は,酸素との関係,栄養要求性,40C下での発育,緑色蛍光色素の産生,オキシダーゼ,アルギニンジヒドロラーゼの活性,硝酸塩の還元で容易に識別できた。また,P. glumaeの抗血清はP. glumaeとのみ反応し,他の3つの群の細菌とは反応しなかった。P. glumaeはイネの穂と苗に病原性を示し,他の3つの群の細菌は穂のみに病原性を示した。病名については,P. glumaeによる場合を従来どおりのもみ枯細菌病とし,他の3つの菌群による場合はもみ枯細菌病類似症として一括し,P. glumae以外の細菌が病原であることを表わすにとどめ,正式な病名の提案は保留した。
  • 脇本 哲, 荒木 亮, 土屋 健一
    1987 年 53 巻 2 号 p. 150-158
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae Kurita et Tabei)の3菌株, Ku8101, N7505およびN7501の生菌を家兎に静注することによって作成した3種類の抗血清を用い,凝集反応と寒天ゲル内拡散法とにより,それらの反応特異性を検討した。凝集反応では,これらの抗血清はイネもみ枯細菌病菌以外にも供試したほとんどすべての細菌と反応したが,反応の力価はイネもみ枯細菌病菌を抗原として測定した場合よりも著しく低い値を示した。寒天ゲル内拡散法では,抗血清の種類により特異性に差異がみられた。すなわち,抗7501血清はイネもみ枯細菌病菌に対してのみ沈降帯を形成し,完全に特異性を示したが,他の2種類の抗血清はイネもみ枯細菌病菌以外の多数のPseudomonas属菌との間に非特異的な沈降帯を形成した。これら非特異的沈降帯のうちほとんどすべてのものは,100C, 1時間熱処理した抗原を使用することによって形成されなくなった。
  • Facine KALO, 谷口 武
    1987 年 53 巻 2 号 p. 159-167
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ホウレンソウ葉の搾汁液からウイルス阻害物質の分離法を示した。汁液に固体硫酸アンモニウムを加えて50%飽和にした。沈殿を中性燐酸緩衝液に溶かしSephadex G-100ゲル〓過を行った。活性のある分画を集め,さらにDEAEセルロースカラムおよびCM-Sephadex C-25カラムを用いて阻害物質を精製した。阻害物質は100C, 10分の加熱で活性を失い,インゲンおよびタバコでTMV感染阻害作用を示したが,Chenopodium amaranticolorでは効果が無かった。阻害物質をインゲン葉の裏側に処理し,葉の表側にウイルスを接種しても弱い阻害効果があった。インゲンの葉に吸着した阻害物質はTriton X-100を処理しても,容易に除くことはできなかった。阻害物質はTMV-RNAの感染も阻害した。この反応は阻害物質試料へのリボヌクレアーゼの混入によるものではなかった。
  • 長井 雄治
    1987 年 53 巻 2 号 p. 168-174
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    千葉県で発生したTMV-Pを用い,熱処理による弱毒化の方法と得られた弱毒分離株の干渉効果について検討した。ウイルスを弱毒化する方法として,TMVでしばしば試みられている35C, 2週間の熱処理法は,TMV-Pに対しては,著しく増殖性を低下させたため,適用しがたかった。しかし,25Cで3∼4日間の前処理を行ったのちに35Cで14∼16日間の処理を行った場合には,TMV-Pの増殖性が認められ,弱毒変異株が見出された。すなわち,TMV-Pを接種したピーマン茎片を,25Cで4日間,35Cで16日間熱処理し,生じた弱毒変異株を合計1,000個以上のBright Yellow上の単一局部病斑から選抜し,弱毒分離株C-1421が得られた。C-1421は,ピーマンに対し,病徴がきわめて軽く,しかも強毒のTMV-Pに対してすぐれた干渉効果を示した。
  • 阿久津 克己, 高津 康正, 崎山 一, 奥山 哲
    1987 年 53 巻 2 号 p. 175-181
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    灰色かび病菌(IPCR-1菌株)の分生胞子によるキュウリ(相模半白)葉感染に対するKH2PO4の発病促進作用とその作用性について調べた。胞子懸濁液(2.5%グルコース含有)にKH2PO4 (5×10-2M)を加えることで,キュウリ葉に伸展性病斑が形成された。病斑出現は,イノシン存在区に比べて幾分早いが,その後の伸展は緩慢であった。KH2PO4は,胞子発芽,第一次付着器形成に対して影響を示さなかったが,第一次付着器による侵入,第二次付着器形成と侵入に対して促進効果を示した。KH2PO4溶液で前処理したキュウリ葉で,胞子懸濁液(2.5%グルコース含有)接種による感染は見られなかった。前処理葉で,第一次付着器による侵入,第二次付着器形成は認められなかった。
  • 柘植 尚志, 林 律器, 西村 正暘
    1987 年 53 巻 2 号 p. 182-190
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病菌No.15A菌株,リンゴ斑点落葉病菌AM-1菌株および腐生的A. alternata 0-94菌株からNTG処理によって,栄養要求性変異菌株を選抜した。0-94菌株由来のメチオニン要求性菌株(Met)およびチロシン要求性菌株(Tyr)では,復帰変異が観察された。15A菌株由来コリン要求性2菌株(Cho1Cho2),およびAM-1菌株由来のコリン要求性菌株(Cho3)とヒスチジン要求性菌株(His)は,それぞれの宿主植物に対して,親株と同様な病原性を保持していた。しかし,AM-1菌株由来のアルギニン要求性2菌株(Arg1Arg2)では,AM-毒素生成能の低下に伴う病原性の低下が観察された。なお,これらの分生胞子にアルギニンを添加すると,病原性および毒素生成能は回復した。ナシ黒斑病菌とリンゴ斑点落葉病菌の間でヘテロカリオンの形成を試みた。両菌の栄養要求性変異菌菌糸を接触させて,最小培地上で培養した。その結果,Cho1Cho3および,Cho2Arg1の組み合わせで,最小培地上で原栄養性の菌糸が生育してきた。それらの菌糸由来のプロトプラストは,すべて原栄養性であり,両菌間のヘテロカリオンであると判定された。これらヘテロカリオンの分生胞子を,二十世紀ナシおよびスターキングデリシャスリンゴ葉に接種したところ,両植物に病原性を示した。しかし,リンゴ葉に対する病原性は,用いた栄養要求性リンゴ斑点落葉病菌菌株より劣っていた。
  • 白根 昇, 八田 隆行
    1987 年 53 巻 2 号 p. 191-197
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Botrytis cinereain vitro培養に用いるための無機塩培地(MS培地)を検討した。MS培地はクエン酸三ナトリウム,MnSO4, MgSO4, ZnSO4, NH4NO3, KH2PO4, CaCl2, Na2MoO4,ビタミンAパルミテート及びシュークロースを含み,本培地上で菌は旺盛に生育し,多数の胞子を形成した。又,その生育速度はポテトシュークロース培地に近かった。本培地からいずれの組成を抜いてもB. cinereaの生育速度は遅れた。特にMgSO4, NH4NO3, KH2PO4,シュークロースのいずれかを抜いた場合B. cinereaの生育は著しく低下した。本培地にB. cinereaの分生胞子を懸濁し,キュウリ葉に接種すると約85%の発病率(拡大型病斑)を示した。この培養液から,NH4NO3, KH2PO4,シュークロースのいずれかを抜くと発病率は顕著に低下した。本培養液で培養した菌糸体に酵素処理をすると多量のプロトプラストが分離でき,そのプロトプラストは30∼60%の割合で菌糸体に復帰する能力を持っていた。
  • Jee-song CHEN, Fang-ming THSENG, Wen-hsiung Ko
    1987 年 53 巻 2 号 p. 198-202
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    台湾では1955年以来,茶樹において健全枝に混じって原因不明の枯死枝がしばしば観察されてきた。異なる産地の種々の品種から収集した104本の罹病枝のうち102本からM. theicolaが分離された。コムギ-エンバク培地で生育させたM. theicolaを接種した場合,3週間後には86%以上の接種枝で自然病徴と類似の胴枯症状が再現され,またすべての感染枝からM. theicolaが再分離された。オートクレーブした菌およびPDA培地で生育させた同菌を接種した場合にはいずれも無病徴で健全のままであった。M. theicolaは比較的高温下で生育良好であり,また低い水ポテンシャルでも生育可能で,38Cおよび-71バールではそれぞれ2日および5日で約0.3cmの菌糸の伸長が認められた。
  • 八重樫 博志, 松田 泉, 佐藤 善司
    1987 年 53 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ジャガイモ煎汁寒天培地あるいは素寒天培地で培養したいもち病菌菌糸の先端がペトリ皿底部に達すると,そこに付着器様構造物(ALS)が形成された。ALSが培地中で発芽し,その先端にさらにALSが形成される例もまれに見られた。ALSは褐色ないしオリーブ色を呈し,中に顆粒状物が認められた。表面は滑らかな厚い細胞壁で囲まれている。形や大きさには変動があるが,球形,卵形ないし長円形のものが多く,直径は4-11μm(平均10.1μm)であった。ALSの形成はすべての供試菌株で確認された。ALSはガラス面上よりプラスチック面上で多く形成された。ALSはイネ葉表面に固着し,そこから侵入糸を出してイネ細胞に侵入した。菌糸寒天ブロックをイネ葉身に付着させる方法で接種すると,そこに罹病型病斑が形成された。また,菌糸細片の懸濁液をイネ葉鞘に注射接種した場合にも罹病型病斑が形成された。超薄切片の電子顕微鏡的観察から,ALSが粘質物で覆われていること,菌糸より細胞壁が厚く,濃く染色されることなどが明らかにされた。これらの形態的,機能的特徴から,菌糸先端に形成されるALSは,付着器であると結論された。これは,いもち病菌の菌糸先端に付着器が形成されることを確認した最初の報告である。
  • 尾上 孝利, 吉川 正明, 正子 朔, 佐川 寛典
    1987 年 53 巻 2 号 p. 210-226
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ダイズに産生されるファイトアレキシンであるグリセオリンは,疫病菌(Phytophthora capsici)の菌糸生育を20μg/mlで部分的に,また50μg/mlで完全に阻害した。同濃度のグリセオリンで処理した菌糸からは,すみやかな電解質の漏出が認められ,アミノ酸やヌクレオシドの酸可溶性分画への取り込みも顕著に阻害された。一方,呼吸や高分子合成の阻害は,電解質漏出の後に認められるようであり,グリセオリンの第一次作用点は,原形質膜の機能阻害にあることが示唆された。
    グリセオリンで処理した菌糸では,原形質膜に特徴的な形態異常が観察された。すなわち,無処理区の菌糸に比較し,原形質膜の平滑化や細胞壁からの剥離が観察され,小胞様構造が細胞壁と剥離した原形質膜との間に認められた。一方,対照薬剤として用いたシクロヘキシミドや2, 4-ジニトロフェノールで生育阻害を受けた菌糸には,原形質膜の顕著な形態異常は観察されなかった。これらのことから,グリセオリンで処理した菌糸に認められた原形質膜の形態異常は,必ずしも生育阻害に付随した非特異的な形態変化ではなく,グリセオリンの作用機作と関連した特徴的な形態変化である可能性が示唆された。
  • 吉川 正明, 尾上 孝利, 正子 朔, 佐川 寛典
    1987 年 53 巻 2 号 p. 227-241
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ダイズに非病原性の疫病菌,Phytophthora capsiciをダイズ胚軸に接種すると,接種後8∼10時間まで感染菌糸は組織内を進展したが,それ以後,ダイズのファイトアレキシンであるグリセオリンの蓄積をともなう抵抗反応発現に付随して,感染菌糸の組織内進展が停止した。一方,ブラスチサイジンSで処理したダイズ胚軸では,グリセオリン蓄積が抑制され,感染菌糸の組織内進展も停止せず,完全な罹病型病徴を示した。
    接種後12∼15時間における抵抗反応発現時のダイズ胚軸内の感染菌糸の微細構造には,特徴的な原形質膜の形態異常が観察された。この形態異常は,原形質膜の平滑化や細胞壁からの剥離,また細胞壁と剥離した原形質膜との間に小胞様構造の出現,さらに原形質膜の消失をともなうものであり,本菌をin vitroでグリセオリン処理した際に認められるものと極めて類似していた。一方,ブラスチサイジンSで処理した胚軸内の感染菌糸,また接種後5時間のようにグリセオリン蓄積を開始していない抵抗反応発現期以前における無処理区の胚軸内の感染菌糸には,原形質膜の形態異常は観察されなかった。これらの結果は,抵抗反応発現時におけるダイズ胚軸内の感染菌糸は,そこに蓄積するグリセオリンにより阻害されていることを示唆する。
  • 佐橋 憲生, 獅山 慈孝
    1987 年 53 巻 2 号 p. 242-249
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オオムギ5品種の第一葉に3種の非病原性糸状菌,Alternaria alternata, Erysiphe polygoniおよびColletotrichum lagenariumを接種し,それらオオムギ品種の防御反応を光学および蛍光顕微鏡を用いて観察した。その結果,供試した品種および糸状菌間では,パピラによる侵入阻止率に差が認められた。しかし,ほとんどの侵入阻止部位では,パピラ形成や蛍光顕微鏡下で自発蛍光として現われる細胞壁の変化が観察された。以上の結果から,パピラ形成によって起こる侵入阻止反応は,オオムギが非病原性糸状菌に対して示す抵抗反応の一つとして重要であることが示唆された。
  • 松本 直幸, 但見 明俊
    1987 年 53 巻 2 号 p. 250-253
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    冬期後半に積雪下の未熟な雪腐病菌菌核やイネ科牧草葉から分離される細菌と,秋期に休眠菌核から分離される細菌には,PDA上で雪腐小粒菌核病菌Typhula incarnata, T. ishikariensisに拮抗性を示す菌株が高頻度に存在した。特に葉由来の細菌では,約50%が強拮抗性であったが,これら葉の細菌のほとんどは,雪腐小粒菌核病菌の菌核形成を促進しなかった。菌核由来の細菌には,強拮抗性のものは少なかったが,菌核形成を促す菌株の割合は,平均22.2%とやや高かった。拮抗細菌はすべて螢光性のpseudomonadsであったが,螢光性のpseudomonadsのすべてが拮抗性を示すわけではなかった。また,冬期後半以外の時期に葉から分離される細菌はほとんどが拮抗性でなく,拮抗性のものもその程度は弱かった。これらはまた,ほとんどが螢光性pseudomonadsでなかった。
  • 高橋 義行, 大村 敏博, 匠原 監一郎, 土崎 常男
    1987 年 53 巻 2 号 p. 254-257
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    多数の保毒虫および罹病イネからイネ縞葉枯ウイルス(RSV)を迅速に検出する目的で,酵素結合抗体法(ELISA法)の簡易化を検討した。抗体を含むコーティング液を加えたプレートは,4C,半年間の保存の後にも有効に使用することができた。また使用済プレートは0.1M HClによる1時間の処理でRSVを解離させることによって再使用が可能となった。これらの保存または再使用プレートを用いることで,コーティング処理を省くことができ,さらに試料とコンジュゲートを同時に添加することで,従来の試料処理(一晩,4C)も省略した簡易ELISA法を確立した。この簡易ELISA法を用いて,信頼度の高い診断を2時間以内に行なえるようになった。
  • 安藤 康雄, 成澤 信吉, 鬼木 正臣
    1987 年 53 巻 2 号 p. 258-261
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The shoot blight of tea plant causing sever damage to tea production in Japan was etiologically investigated. This disease was found to be caused by the tea gray blight fungus, Pestalotia longiseta. The tea brown blight fungus, Glomerella cingulata, was often detected on the diseased shoots, but it was considered to be a secondary parasite.
  • 上運天 博, 脇本 哲
    1987 年 53 巻 2 号 p. 262-265
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネ白葉枯病菌N5828 (Xf)は繊維状ファージXfを産生し,絶えず菌体外に放出しているが,この産生能に及ぼすアクリジンオレンジ(AO)処理の除去効果を検討し,さらに除去菌の2, 3の性状を原菌と比較した。その結果,N5828 (Xf)は0.5・g/mlのAO処理により,5.4%の頻度でファージ産生能を失った。それに対し,人為的にXfを感染させ,ファージ産生菌としたN5850 (Xfi)ではAO処理により,73.5%の高頻度でファージ産生能を失い,無処理でも42.2%がファージ産生能を失った。N5828 (Xf)からAO処理によりファージ産生能を失った系統N5828Aの30Cにおける増殖は親株よりもやや早まり,34Cでの増殖能は劣る傾向にあった。菌体外多糖の産生能はファージ産生能の欠落とともに低下し,それに伴い,病原性の低下も見られた。
  • Susamto SOMOWIYARJO, 佐古 宣道, 野中 福次
    1987 年 53 巻 2 号 p. 266-268
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ラテックス凝集反応法(LF)とProtein A-coated latex-linked antisera法(PALLAS)によりZYMV(分離株169)の検出試験を行った。マイクロプレートのウェルを反応槽として用い,25C下で15分間の振とう,30分間の静置を行い,反応の有無を判定した。純化ウイルスはLF法により25μg/ml, PALLAS法により0.1μg/mlまで検出された。罹病カボチャ葉の搾汁液では,前者の検出限界は500∼1,000倍希釈,後者のそれは4,000∼5,000倍希釈までであった。PALLAS法はLF法より感度が優れており,本ウイルスの検出法として有用であると考える。
  • 池上 正人, 尾崎 武司, 井上 忠男
    1987 年 53 巻 2 号 p. 269-273
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タバコ巻葉ウイルス(TLCV)の核酸は,次のような諸性質を示すことから,環状の一本鎖DNAであると結論した。(1) TLCVの核酸は,RNase Aには抵抗性であったが,DNase Iやnuclease S1には感受性であった。(2) TLCVの核酸を20Cから100Cまで徐々に加熱していくと,温度の上昇に伴ない吸光度の増加が認められた。(3) TLCVの核酸に最終濃度が1.8%となるようにホルムアルデヒドを加え,37Cで24時間放置したところ,260nmで16%の吸光度の増加が認められた。(4) TLCVの核酸の電子顕微鏡観察から,TLCVの核酸は環状分子で,その分子量は0.79×105であった。
  • 1987 年 53 巻 2 号 p. 274a
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 53 巻 2 号 p. 274b
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 53 巻 2 号 p. 274c
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 53 巻 2 号 p. e1
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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