日本植物病理学会報
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Pseudomonas gladioliを定着させたネギまたはニラの混植によるユウガオつる割病の生物的防除
有江 力難波 成任山下 修一土居 養二木嶋 利男
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1987 年 53 巻 4 号 p. 531-539

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抄録
ユウガオつる割病はユウガオの重要な土壌伝染性病害であるが,その連作にかかわらず,発生が認められない圃場が存在し,これらの圃場ではユウガオと共にネギの混植が慣行的に行われている例が多かった。そこで,この原因を調べたところ,現地のネギ地下部からは高率にPseudomonas gladioliが分離され,これらはユウガオつる割病菌(Fusarium oxysporum f. sp. lagenariae)に対して高い抗菌性を示した。そこで,Pseudomonas gladioliを中心に,20種の植物より分離したPseudomonas属細菌4種90菌株について,つる割病菌に対して強い抗菌性を有し,かつネギの地下部に定着性のある菌株を探究したところ,P. gladioli M-2196が選抜された。ネギおよびニラの地下部に本菌株を浸根接種し,ユウガオつる割病汚染土にユウガオと混植したところ,つる割病の発病が著しく抑制され,その実用性が確認された。以上の結果,抗菌性を持つ細菌と定着植物を用いた土壌病害の生物的防除の可能性が明らかになった。
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