日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
Xanthomonas campestris pv. citriおよび数種の植物病原細菌の活性酸素,紫外線およびメチルビオロジェンに対する感受性
道家 紀志柴田 俊浩
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 53 巻 5 号 p. 577-584

詳細
抄録

Xanthomonas campestris pv. citri, pv. campestris, pv. pruniおよびpv. vesicatoriaをO-2生成系であるキサンチン-キサンチン酸化酵素反応系に混合すると,強い殺菌効果がみられた。しかし,他に供試したAgrobacterium tumefaciens, Erwinia herbicola, Corynebacterium michiganenseはそのO-2生成系に対して比較的耐性であった。各々の細菌のO-2生成系に対する感受性は,紫外線感受性と正の相関を示し,また,細菌のスーパーオキシドジスムターゼ活性と負の相関を示した。X. campestris pv. citriに対する殺菌作用は,キサンチン酸化酵素の対数濃度と直線的相関を示し,その反応系に加えたスーパーオキシドジスムターゼ及びカタラーゼによって部分的に回復した。本菌は生体内でO-2を増産するメチルビオロジェンに強い感受性を示し,本菌を宿主植物のカンキツ葉に薬害を与えない濃度のメチルビオロジェンと共に注射接種すると,顕著な増殖抑制効果がみられた。また,本菌をスプレー接種したカンキツ葉に,接種後一日以内にこの薬剤をスプレー処理すると,発病が顕著に抑制された。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
次の記事
feedback
Top