抄録
ブドウ葉巻病罹病樹(品種:セミヨン,カベルネ・ソービニヨン,カベルネ・フラン)の成葉より,ブドウ葉巻ウイルスを純化した。病葉を液体窒素中で磨砕粉末化し,しょ糖クッションを用いた超遠心の後,クロロホルムで清澄化し,しょ糖クッションを用いた分画遠心を2回行って部分純化試料を得た。これを繰り返し行い,集めた部分純化試料を超遠心で濃縮し,さらにしょ糖密度勾配遠心を行い純化試料を得た。純化試料中には長さ約1,500∼2,000nm,幅約11nm,約3.6nmの明瞭ならせん構造を示す屈曲に富むひも状粒子が多数観察された。品種間には収量に差が認められず,また健全樹の葉からは本ウイルスは得られなかった。本ウイルスの形態はclosterovirus subgroup IIのウイルスと考えられているカンキツタターリーフウイルスのそれと明らかに区別された。