日本植物病理学会報
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ナシ黒斑病菌の菌糸中に存在する二本鎖RNAとAK-毒素生成能の関係
林 律器柘植 尚志小林 裕和西村 正陽
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1988 年 54 巻 2 号 p. 250-252

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抄録
AK-毒素生成6菌株とAK-毒素生成能失活6菌株の培養菌糸から抽出した核酸分画を, CF-11 celluloseクロマトグラフィーによって精製し,二本鎖RNAを得た。分離した二本鎖RNAを,アガロース電気泳動により比較検討した結果, AK-毒素生成4菌株と毒素生成能失活3菌株から,二本鎖RNAが検出された。なお,電気泳動により検出したバンドは, DNaseおよびRNaseに対する感受性の検定から,二本鎖RNAであることが確認された。しかし,毒素生成の有無と二本鎖RNAの存在との間には直接的な相関は見出されなかった。また,二本鎖RNAの存在は,菌糸生長や胞子形成にも影響していなかった。
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