1988 年 54 巻 4 号 p. 523-528
四国地方の土壌に生息するPythium菌の種と分布を明らかにするため,キュウリ種子による捕捉法を用いて菌を分離し,調査した。供試した35ヵ所の土壌(6~10/県)中, 33試料から1試料当り1~4種のPythium菌が分離されたが,香川県の2試料からはまったく分離できなかった。分離した合計335菌株は, H-Zs (糸状胞子裏から遊走子を形成するが,生殖器官は未形成の一群)を含む12種に分類・同定できた。最も一般的に分布していたのが, P. sylvaticumで, 29ヵ所から134菌株が分離された。次いで, P. ultimumとP. spinosumの分布が広く, 8~9ヵ所から35~77菌株が分離された。