日本植物病理学会報
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54 巻, 4 号
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  • 君島 悦夫, 小林 慶範, 西尾 健
    1988 年 54 巻 4 号 p. 427-435
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    鹿児島県沖永良部島のテッポウユリで茎葉が褐変し,茎腐れ症状を呈する病害が問題となっていた。本病は血清学的試験の結果,疫病菌によるものと診断された。被害株からの分離菌はテッポウユリへの接種により病徴を再現し,再分離された。分離菌はその性状からPhytophthora megasperma Drechslerと同定された。本菌によるテッポウユリの病害は未記載である。
  • Susamto SOMOWIYARJO, 佐古 宣道, 野中 福次
    1988 年 54 巻 4 号 p. 436-443
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    ZYMVに対するモノクローナル抗体(MCA)を作製し,その有用性をELISA法により調べた。4種類の抗体産生ハイブリドーマが産生する腹水中のMCAのサブクラスはすべてIgG2bで,その力価は107~109倍で,培養上清液中でのそれは1/1,000であった。試験した6種類の組合せのELISA法のうち,最高の感度を示したのは,プレートをMCAでコートし,ポリクローナル抗体(PCA)を二次抗体として用いたときであった。この方法は,純化ZYMVで0.1~1ng/ml,カボチャ罹病葉粗汁液中で106~107倍希釈までの検出限界を示した。MCA (ZYMV-45)を間接ELISA法(一次抗体を処理しない方法)で用いると, ZYMVとwatermelon mosaic virus 2を識別できた。したがって,同法にPCAを用いた場合,この2種のウィルスを区別できなかったが,このMCAを用いる方法では,両ウィルスの識別が可能となった。本法により圃場から採集された試料について検出試験を行ったところ, PCAを用いた二重抗体法による判定結果とすべて同一であった。以上の結果は,ウリ科作物の病原potyvirusを区別する場合に,有用な方法を作出したことを明らかにしている。
  • 西山 幸司, 小林 達男, 畔上 耕児
    1988 年 54 巻 4 号 p. 444-452
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1985年8月に高知県下でスターチスが萎ちょうする病気が大発生した。本病は葉が生気を失って萎ちょうし,葉脈が顕著に赤変する特徴がある。また,病植物の根の維管束が褐変し,細菌泥の漏出が観察される。8月下旬の高温期に定植するとすばやく発病するが,気温の低下を待って定植すると発病は遅れる。病勢は11月から停滞し,翌年の4月以降に再び活発となる。
    分離細菌25株は均質な細菌学的性質を有し, Type strainを含むカーネーション由来のP. caryophylliの性質と一致した。両者は根部への穿刺接種あるいは断根後に菌液を灌注する方法でスターチスに自然発病の病徴を再現し,カーネーションに萎ちょう細菌病を起こした。したがって,分離細菌をPseudomonas caryophylli (Burkholder 1942) Starr and Burkholder 1942と同定した。
    病名は,カーネーション萎ちょう細菌病の例にならい,スターチス萎ちょう細菌病(bacterial wilt of statice)を提案した。
  • 吉原 照彦, 萩原 義真, 長岡 俊徳, 千葉 彩子, 坂村 貞雄
    1988 年 54 巻 4 号 p. 453-459
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナス台木植物根(品種:耐病VF)から抗菌物質として3種のセスキテルペン(ソラベチボン,ルビミン,エピルビミン)と5種のフェノール化合物[パニリン,フェルラ酸エチルエステル, P-クマール酸エチルエステル,コーヒー酸エチルエステル, P-ハイドロキシ安息香酸, 3-ハイドロキシ-1-(4-ハイドロキシ-3-メトキシフェニール)-1-プロパノン]を単離し,化学構造を決定した。台木中のソラベチボンはナス根(品種:千両)の約5倍含まれ,そのものが示す抗菌活性と病害抵抗性の関係を論議した。
  • 後藤 岩三郎
    1988 年 54 巻 4 号 p. 460-465
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    黒禾のPi-kur 1は噴霧接種によって検出され,第2連鎖群(第11染色体)に属し, lgと密接に連鎖しPhに近い。この遺伝子は圃場における抵抗性を大きく支配するが,レースに特異反応を示し,崩壊の可能性がある。Pi-kur 2は葉鞘検定により検出され, la(第8連鎖群,第9染色体)に連鎖する。この遺伝子は圃場においてPi-kur 1より低いが,相加的な抵抗効果をもつ。
  • 高橋 賢司, 山口 武夫
    1988 年 54 巻 4 号 p. 466-475
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    蛍光顕微鏡観察により根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae)休眠胞子の活性を直接測定する方法について検討した。2種類の蛍光色素,カルコフルオール・ホワイトM2R (CFW)と臭化エチジウム(EB)の混合液で休眠胞子を染色後,落射型蛍光顕微鏡(位相差, UV, 油浸)で観察すると,休眠胞子は細胞壁のみが青く染まる胞子(青染胞子)と細胞壁が青くかつ内部が赤く染まる胞子(赤染胞子)に染め分けられた。染色時間は4時間まで胞子の染め分けに影響しなかった。しかし,一定濃度のCFW液に混合するEB液の濃度が高くなるに従って赤染胞子の割合は増加した。胞子の染め分けに適する染色液は, 100μg/mlのCFW液と10~50μg/mlのEB液との等量混合液であった。休眠胞子を40, 50および60Cで熱処理し,染め分けられた胞子の割合を経時的に調べたところ,青染胞子率は40Cでは処理時間にかかわらず変化がみられなかったが, 50と60Cでは処理時間の経過とともに低下した。また青染胞子率の低下は, 50Cより60Cのほうが短時間かつ急激であった。熱処理した休眠胞子を接種源とした罹病植物の発病度を調べたところ,青染胞子率との間に高い正相関が認められた。しかし,発病度は青染胞子率より偏差が大きかった。青染胞子の割合と病原性との間の相関性は,冷凍保存期間が異なる罹病根から調製した休眠胞子においても認められた。これらの結果から,蛍光色素で染め分けられた胞子の割合を蛍光顕微鏡観察で調べることにより,休眠胞子の病原性評価が可能であると判断した。この病原性評価法は,直接的で,さらに簡易かつ正確性などの点で優れていると考える。
  • 上田 進, 芳澤 宅實
    1988 年 54 巻 4 号 p. 476-482
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    圃場でのムギ赤かび病被害率, Fusarium汚染粒率およびマイコトキシン汚染を指標として,チオファネートメチル剤散布による赤かび病とトリコテセン系マイコトキシン汚染の防止効果を検討した。ムギの出穂期にトップジンM剤を2回散布することにより,赤かび病の発生とFusarium汚染を効率的に防止すると同時に, NIVとDONによる汚染をも抑えることが明らかにされた。また,薬剤散布の有無にかかわらず, NIVとDONとの間には高い正の相関が認められたことから,トップジンM剤はNIVまたはDON産生菌(F. graminearum)に対し同程度の阻止効果を示すものと考えられた。さらに,赤かび病の発生が少なく,一般に薬剤散布の必要性がないと見做される場合でもマイコトキシンの汚染は認められたが,トップジンM剤散布によりきわめて有効に抑止することができた。
  • 田辺 憲太郎, 西村 正暘, 甲元 啓介
    1988 年 54 巻 4 号 p. 483-492
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病菌の宿主侵入機構を解明するために,植物の最外層を構成するクチンに対する本菌の酵素的分解について調べた。本菌の分生胞子懸濁液に,常法によりグレープフルーツ果皮より調製したクチンを添加すると,その胞子発芽液中に顕著なクチナーゼ活性が認められた。しかし,ショ糖添加の場合にはその活性はほとんど認められなかった。また,本酵素活性は,本菌をクチン添加液体培地で培養した培養ろ液でも観察されたが,ショ糖添加培地ではほとんど認められなかった。このようなクチナーゼの誘導生成は,本菌のAK毒素生成失活菌や腐生菌についても認められた。なお,クチナーゼ活性は,数種の有機りん化合物により強く阻害された。これらの有機りん化合物は,菌の胞子発芽には影響することなく,二十世紀葉に対する本菌の病斑形成を著しく抑制した。そこで,本菌が生成するクチナーゼの諸性質を知るため,クチン添加培地で培養した培養ろ液を硫安塩析し,得られた沈殿について,ゲルろ過,クロマトフォーカシングおよび陽イオン交換クロマトグラフィーなどによってクチナーゼの純化を行った。その結果,最終的には,クチナーゼ蛋白質をSDS-PAGEで,分子量約32,000の単一バンドとして純化することができた。以上の結果より,クチナーゼはAK毒素とともに,本菌の病原性発現に必要であることが示された。
  • 朴 杓允, 大野 藤吾, 西村 正暘, 甲元 啓介, 尾谷 浩
    1988 年 54 巻 4 号 p. 493-502
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ゴルジ小胞の特異的染色液であるアルカリビスマス液を用いて, AK毒素を処理した宿主細胞内のゴルジ小胞の数を計測して毒素処理後の宿主細胞の活性を調べた。本毒素は,宿主細胞の原形質膜を陥入させ陥入膜から多量の膜片を喪失させる。毒素を1, 3, 6時間処理した宿主細胞では,アルカリビスマス液に陽性のゴルジ小胞が,陥入原形質膜周辺の細胞質に多数出現し,その多くは陥入膜に融合していた。しかし,毒素を10時間処理した壊死組織の細胞ではゴルジ小胞はほとんど認められなかった。対照区と毒素処理した抵抗性ナシ葉細胞にはゴルジ小胞の異常な集積と融合は観察されていない。毒素処理6時間以内では宿主細胞は,増高したゴルジ活性と多くのゴルジ小胞と融合する能力のある原形質膜を有しているためまだ生きているが, 10時間後ではこれらの活性と能力の著しい低下のため細胞は死んでいると考えられる。これらの結果は,ゴルジ分泌活性の増高が細胞の活性と関連をもち,生産されたゴルジ小胞は変性原形質膜の修復を行っていることを示唆する。
  • 田中 千尋, 久保 康之, 津田 盛也
    1988 年 54 巻 4 号 p. 503-509
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    4種の突然変異源[N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG),メタンスルホン酸エチル(EMS), 紫外線(UV),ガンマ線(γ-ray)]のトウモロコシごま葉枯れ病菌分生子に対する,致死および突然変異誘発効果を調べた。MNNGおよびUVでは処理時間の増加とともに,分生子生存率は直線的に減少した。EMSおよびγ-ray処理では,分生子生存率が直線的に減少せず,生存曲線は,多撃説により導かれる曲線に類似した。γ-ray処理では分生子生存率に線量率依存性が認められた。突然変異処理によって得た4種の色素合成欠損株をマーカーとし,それぞれの処理区での突然変異株の最大出現率を求めたところ次の結果を得た。MNNGでは生存率5.5%,出現率0.51%, EMSでは生存率1.4%, 出現率0.43%, UVでは生存率13.2%,出現率0.05%, γ-rayでは生存率2.6%,出現率O.07%であった。以上の結果, MNNGおよびEMSはUVおよびγ-rayより高い突然変異誘発能をもつことが判明した。しかしMNNG処理では,生存率を低くすると継代培養中に死滅する変異株が多く出現し,生存率5%前後の処理が最適であった。
  • 桑田 茂, 増田 税, 高浪 洋一
    1988 年 54 巻 4 号 p. 510-515
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ウイルスcDNAの5'末端から正確に転写を開始する新しい転写ベクター, pUT118を構築した。ウイルスRNAのcDNAを挿入された転写ベクターは, cDNAの直下流, Xba I部位で切断した後, T7 RNAポリメラーゼを用いて試験管内転写を行わせると,全長鎖ウイルスRNAを合成することが可能である。キュウリモザイクウイルスサテライトRNA (Y系統)の完全長cDNAクローンをNsi I部位に挿入したpUT118-Sを実際に試験管内で転写させた結果,生物活性を示す転写サテライトRNAが得られた。しかしながら, pUT118では, Nsi I部位を導入するためにT7プロモーターの塩基配列の一部を改変したので,転写効率は十分でなかった。そこで,転写物の5'末端に2個のGを付加する転写効率の高いベクター, pUT118GGもあわせて構築した。
  • 新田 直人, 増田 税, 桑田 茂, 高浪 洋一
    1988 年 54 巻 4 号 p. 516-522
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キュウリモザイクウイルスY系統RNA3の全塩基配列を決定し,既報のQ系統RNA3の塩基配列と比較した。その結果, Y系統の塩基配列から5'側にコードされている3A蛋白は273アミノ酸,また3'側にコードされているウイルス外被蛋白は218アミノ酸から成ると予想され, Q系統における3Aおよび外被蛋白のアミノ酸残基数333および236とは大幅に相違した。両系統の3'末端領域は,塩基配列にかなりの相違があるにもかかわらず,類似の2次構造を取りうることが判明した。
  • 渡辺 恒雄
    1988 年 54 巻 4 号 p. 523-528
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    四国地方の土壌に生息するPythium菌の種と分布を明らかにするため,キュウリ種子による捕捉法を用いて菌を分離し,調査した。供試した35ヵ所の土壌(6~10/県)中, 33試料から1試料当り1~4種のPythium菌が分離されたが,香川県の2試料からはまったく分離できなかった。分離した合計335菌株は, H-Zs (糸状胞子裏から遊走子を形成するが,生殖器官は未形成の一群)を含む12種に分類・同定できた。最も一般的に分布していたのが, P. sylvaticumで, 29ヵ所から134菌株が分離された。次いで, P. ultimumP. spinosumの分布が広く, 8~9ヵ所から35~77菌株が分離された。
  • 長井 雄治, 竹内 妙子, 渡辺 恒雄
    1988 年 54 巻 4 号 p. 529-532
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Since 1975, a new root rot disease of dasheen has been occurring at the various nursery beds in northern Chiba Prefecture. The disease was severe in high humidity and soil temperature. The infected plant with decayed roots was stunted, but its tubers remained relatively healthy. Although Pythium myriotylum and Rhizoctonia spp. were isolated from the infected roots, only Pythium myriotylum was pathogenic.
  • 堀越 守, 三瀬 和之, 古澤 巌, 獅山 慈孝
    1988 年 54 巻 4 号 p. 533-535
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    われわれはすでにBMV RNAレプリカーゼによるin vitro BMV RNA合成が, BMVの外被蛋白質によって阻害されることを報告した。今回はBMV RNA 3のcDNAから鋳型活性のある3'端200塩基のRNA (3'-T200GR)を作製し,外被蛋白質によるin vitro RNA合成に対する阻害作用を調べた。その結果, 3'T-200GRを鋳型としたRNA合成はBMV外被蛋白質によって阻害されたが, 3'T-200GRは外被蛋白質によってウイルス粒子として再構成されなかった。これらの結果から, in vitro BMV RNA合成の阻害はRNA鎖中のレプリカーゼ結合部位をレプリカーゼと外被蛋白質が競合した結果であると推察した。
  • 王 蔚芹, 夏秋 知英, 奥田 誠一, 寺中 理明
    1988 年 54 巻 4 号 p. 536-539
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キュウリモザイクウイルス(CMV)の分離株間における核酸ゲノムの差異を知るために, CMV感染葉から複製型二本鎖RNAをCF-11セルロースにより抽出し,銀染色を用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動による比較を行った。抽出に用いる植物の種類によって複製型二本鎖RNAの電気泳動パターンは変化しなかった。用いたCMVの6分離株からは,電気泳動度の異なる3種のRNA1, 4種のRNA2, 2種のRNA3が検出された。RNA3の泳動度の差は血清型の差に一致していた。複製型二本鎖RNAの電気泳動によりCMVの系統判別が迅速容易に行えると考えられた。
  • 白川 隆, 佐々木 次雄
    1988 年 54 巻 4 号 p. 540-543
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    A selective medium for Corynebacterium michiganense pv. michiganense (SMCMM) was developed. The composition of the medium was as follows: peptone 5g, yeast extract 3g, K2HPO4 2g, KH2PO4 0.5g, MgSO4⋅7H2O 0.25g, glycerol 20g, LiCl 5g, K2Cr3O7 80mg, NaN3 2mg, nalidixic acid 20mg, cycloheximide 40mg, 70% tetrachloroisophthalonitrate hydrate 3mg, agar 15g in one liter of distilled water. Recovery of C.m. pv. michiganense on SMCMM from the pure culture was higher than on D2 medium by Kado et al. and CNS medium by Gross et al. C.m. pv. michiganense grew well on SMCMM and developed to the characteristic fresh yellow colonies. The colony forming efficiency of the general microorganisms on the tomato leaves and soil were very low compared with nutrient agar medium.
  • 松崎 正文
    1988 年 54 巻 4 号 p. 544-547
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Two hundreds and fourteen isolates of Phytophthora nicotianae var. parasitica collected from rotted roots of strawberry seedlings on nursery beds in Saga prefecture were tested on the mating types, A1 or A2, by formation of sexual organs. Among them, 54 isolates were identified as type A1 and the others were as type A2. From the result of the mating type test, it was found that all isolates were heterothallic. The isolates from Saga city·Saga-gun, Kanzaki-gun and Kishima-gun were separated into type A1 and A2, whereas those from Karatsu city, Ogi-gun and Tosu city·Miyaki-gun were either type A1 or A2.
  • 夏秋 啓子, 西村 優子, 池田 幹雄, 都丸 敬一
    1988 年 54 巻 4 号 p. 548-551
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キュウリモザイクウイルス(CMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV)の検出に,ゼラチン粒子凝集法(gelatin particle agglutination test: PA法)の利用を試みた。ゼラチン粒子に, p-ベンゾキノンで架橋して抗体(γ-グロブリンあるいは粗血清)を付着させた感作粒子を作製した。感作粒子とウイルス感染植物粗汁液あるいはウイルス純化液の各希釈液(25μl)をマイクロプレートウエル内で混合した。凝集反応で20μg/mlの抗CMV γ-グロブリン感作粒子は63ng/mlのCMVを, 15μg/mlのTMV粗血清感作粒子は63ng/mlの抗TMVを90分以内に検出できた。感作粒子は凍結乾燥や4Cで長期間の保存が可能であった。本法は,技術が簡便で,反応が迅速等の利点を有し,多量検体や圃場での検査等にとくに有用と考えられる。
  • 田辺 憲太郎, 西村 正暘, 甲元 啓介
    1988 年 54 巻 4 号 p. 552-555
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病菌胞子にニトロソグアニジンを処理し,クチノーゼ生成およびペクチン分解酵素生成が微弱な突然変異株を得た。これらの突然変異株は,親株と同程度のAK毒素を生成した。クチナーゼ生成が微弱な突然変異株の二十世紀ナシ若葉に対する病原性は,親株に比べ著しく低下していた。しかし,ペクチン分解酵素生成が微弱な突然変異株は,親株と同程度の病原性を有していた。以上の結果から,クチナーゼ生成はAK毒素生成とともに,本菌の病原性発現に深く関わっていることがわかった。
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