抄録
一般に秋播コムギを連作するとコムギ立枯病が発生し,大きな減収を招くことになる。しかし,北海道で25年間連作していてもコムギ立枯病は発生せず,安定した収量を維持している畑があるので,その原因を調査した結果,連作コムギの根から「Sterile Dark」と仮称した糸状菌が高頻度に分離された。そのため,本菌が連作による立枯病の発生を阻止している可能性があると考え,本菌とコムギ立枯病菌の両方を土壌へ接種したところ,コムギ立枯病の発生が軽減された。なお本菌は目下のところ胞子を作らないため,同定されていない。