コンニャク葉枯病の二次伝染の様式について検討した。接種試験の結果,本病細菌はコンニャクの小葉のみを侵すことが確認され,また有傷,無傷いずれの方法でも感染することから,気孔および傷口侵入を行うものと推定された。圃場における本病の伝染源からの発病範囲の拡大は,10mm/日以下の少雨下では隣接株への伝染にとどまったが,強風を伴った降雨下では発病範囲が急激に拡がり,ついには圃場全面に拡大した。罹病小葉表面から流下する雨水からは105∼106cfu/mlの本病細菌が検出された。降雨条件下での本病の伝播実験の結果,伝染源設置期間中の降水量が88.7mm,最大風速7.2m/秒の条件下で伝染源株から2.5mの距離にある株まで発病が認められた。また,本病は罹病小葉との接触によっても伝染した。以上の結果から,本病の二次伝染は風を伴った降雨による病原細菌の雨滴飛沫伝播と,罹病小葉との接触による隣接株への伝播により行われるものと推定された。