抄録
合計258品種・系統のコムギおよびライコムギ幼苗に対する日本産コムギうどんこ病菌6レースの病原性を切葉検定法で調べ,これと各レースに対する判別品種の反応とを比較することにより抵抗性反応型の分類を行った。日本国内で育成された多くの品種は,札幌春小麦型に分類されたものを除き全レースに感受性であった。同質遺伝子系統のAxminster/8Cc, Norka/8Cc, Asosan/8CcおよびChul/8Ccはおのおのの抵抗性供与体とほぼ同様の反応を示した。日本のコムギうどんこ病菌のレースに対するコムギの抵抗性遺伝子は海外でPmとして報告されているものと同一であると考えられた。全レースに抵抗性の品種・系統は抵抗性供与体として利用できると思われる。