日本植物病理学会報
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テンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola Sacc.)が生産するフルビン酸の植物に対する毒性
酒井 隆太郎美濃 羊輔榊 武志市原 耿民坂村 貞雄
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1992 年 58 巻 1 号 p. 95-98

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抄録

Cercospora beticolaにより生産される毒素fulvic acid (F)の生理的性質をCercosporin (C)のそれと合わせて調べた。Fは1mMの,Cは0.1mMの濃度でテンサイ葉上に褐色斑点を形成した。Fは0.1mMの,Cは10μMの濃度でイネ幼苗の根の生長を阻害した。Cはジベレリン酸によるイネ幼苗の第2葉鞘の伸長を阻害したが,Fはしなかった。Fによりテーブルビートの根の原形質膜の性質が変化した。本病の病徴発現にCが主役として,Fが脇役として働くものと推定される。

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