抄録
Bean golden mosaic virus (BGMV)が宿主インゲン(Phaseolus vulgaris)へ感染する際のタンパク質パターンの変化をポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて解析した。コマジーブルー染色による比較では1次元および2次元ゲル電気泳動の双方において感染葉,非感染葉間での変化が認められなかった。[35S]メチオニンを取り込ませてタンパク質パターンを比較するとウイルス感染に特異的なバンドが2つ検出された。一方はBGMVの外皮タンパク質であり,他方は宿主植物由来と推定される24kDaタンパク質であった。ウイルス感染の進行過程のなかで,ウイルス外皮タンパク質は感染後期で強く発現しており,一方24kDaタンパク質は感染初期で強く発現していた。この24kDaタンパク質はウイルスの感染成立に際し重要な役割を担うことが示唆された。