抄録
テンサイ貯蔵腐敗病を拮抗微生物を用いて防除するために,土壌および貯蔵中のテンサイ根から主たる病原菌であるBotrytis cinereaおよびPenicillium expansumに拮抗作用を示す細菌を3, 114株分離した。寒天平板並びにテンサイ根を用いて,これらの病原菌の生育を最も強く抑えた1株(D-202)を選択した。本菌株による貯蔵腐敗病の低下は,テンサイ個体を用いた実験により確認された。本菌株について細菌学的な検討を行ったところ,Pseudomonas cepaciaと同定された。