抄録
イネ萎縮ウイルスの強毒系統の外殻を構成する蛋白質をコードするゲノムセグメントS8の塩基配列を解析した結果,普通系統のものと比べて26ヵ所に塩基配列の置換が認められた。またそのうちの一ヵ所(アミノ酸残基235)においてアミノ酸に置換があるものと推定された。これを確かめるために両系統の外殻蛋白質を単離し,各種蛋白質分解酸素で処理した後, SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分離し,得られた各切断フラグメントのN末のアミノ酸配列を解析したところ,置換部分を含むフラグメントにのみ移動度の差が認められた。