日本植物病理学会報
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台湾においてキバナカイウに発生したうどんこ病
陳 〓焜陳 慶忠陳 隆鐘
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1996 年 62 巻 6 号 p. 580-583

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抄録

キバナカイウ(Zantedeschia elliotiana Engl.)に黄色の不整形およびえそ病斑を生じるうどんこ病が発生した。この病斑の表皮には灰色の菌体が認められた。観察した結果,病原菌の分生子柄は気孔から生じ,単生あるいは叢生して隔壁を有し,大きさは平均151.3×6.6μm。分生子は単生し,最初に形成される分生子は先端が細く尖り,棍棒形であり,その後に形成される分生子は先端が丸い長楕円形∼円筒形で,両分生子とも大きさは平均60.3×16.0μmである。分生子の発芽管の形状は細く,一本生じる。以上の形態的特徴から,本菌はLeveillula属菌の不完全世代であるOidiopsis sp.と考えられた。本報は台湾におけるキバナカイウうどんこ病の最初の記録である。

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