日本植物病理学会報
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エンドウつる枯病菌のhrp領域のクローニングと解析
中田 秀毅田原 愛子林 昌治清水 鈴菜田中 塁一瀬 勇規白石 友紀山田 哲治
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1999 年 65 巻 2 号 p. 147-152

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抄録

エンドウつる枯れ病細菌(Pseudomonas syringae pv. pisi)レース1のhrp遺伝子座をSuperCos1ベクターにクローニングすると同時に,レース2∼4はレース1の塩基配列を参考としてPCR産物を調製し,pBluescript SK (+)にクローニングした後,hrpZの塩基配列から決定したアミノ酸配列を比較した。Pseudomonas属のHrpZ(ハーピン)のアミノ酸配列では95∼50%の相同性があったが,Erwiniaではさらに相同性が低かった。しかし,レース1, 2, 3のHrpZのアミノ酸配列の相同性は99%以上と高かった。P. s. pisiのHrpZタンパク質は他のハーピンと同様,グリシンに富み熱に比較的安定で,カルボキシル末端にGGGLGTPとQTGTのダイレクトリピートを保持していた。また,興味深いことにエンドウ褐紋病菌のサプレッシンBの6個のペプチドシークエンスのうち,4残基の配列相同性がHrpZに存在していた。

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