1999 年 65 巻 2 号 p. 192-196
オリーブこぶ病細菌のiaaM遺伝子(トリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子)をネオティフォディウム・エンドファイト菌に導入し形質転換を試みた。その結果,ポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法がエレクトロポレーション法に比べて高い形質転換効率を示した。ネオティフォディウムTF91006株とTi91093株の形質転換体におけるiaaM遺伝子と薬剤耐性マーカーのハイグロマイシン耐性遺伝子の染色体DNAへの組込みは,PCR法によって予想される560bpのiaaM遺伝子と1.7kbのハイグロマイシン耐性遺伝子の増幅によって確認した。これらの形質転換体におけるiaaM遺伝子の発現を培養ろ液中に蓄積されたインドールアセトアミド(IAM)量をHPLCによって定量することによって調べたところ,多くの形質転換体では有意なIAMの蓄積が検出された。